Signal Hill Insightsが「ポッドキャストにおけるタレントリードの力」と題したレポートを公開しました。ホストリードとタレントリードの違いなどをまとめた興味深い内容です。今回はそのレポートの一部を紹介したいと思います。
Signal Hill Insights / Talent Read Podcasts
今回の調査はSignal Hill Insightsと、Gumball、ART19の3社共同で行われたものです。
結論として、ポッドキャスターによる読み上げの「ホストリード広告」でなくても、有名人が読み上げる「タレントリード広告」も十分効果的である可能性がわかったというものです。
ホストリード広告をテストするため有名ホスト、トム・ビリューが起用されました。テストの内容は、トム・ビリューが自身のビジネス番組「Stamps.com」のホストリード広告を制作し、その番組だけでなく、同一ジャンルのビジネス&キャリア番組「Accidental Creative」と、中立的なコメディー番組「Factually!」へ広告を配信。同時にアナウンサーリード広告も制作し、同様に配信するというもの。
調査の結果、トム・ビリューの広告を聴いたリスナーの購入意欲は4ポイント増加し、アナウンサーリードの1ポイント増加に比べて高いパフォーマンスがみられました。さらに注目すべきは、同じビジネスジャンルの「Accidental Creative」でトム・ビリューの広告を聴いたリスナーの購入意向は12ポイント上昇したのに対し、コメディーの「Factually!」ではわずかに低下したというのです。またブランド親和性についても同様の傾向で、「Accidental Creative」は15ポイント上昇したのに対し、「Factually!」は3ポイント低下しています。ブランド認知度については、どの番組で聴いたかに関係なく上昇しましたが、「Accidental Creative」は5ポイント上昇、「Factually!」は2ポイント上昇と差は見られます。つまり、タレントリードは、そのタレント自身のポッドキャストとカテゴリーが似ている隣接したポッドキャスト番組で最も良い効果が得られることが明らかになりました。
また「ホストリード」と「アナウンサーリード」を比較するとどうなるかも検証されました。ホストリードでは購入意欲15%上昇・ブランド親近感9ポイント上昇したのに対し、アナウンサーリードでは購入意欲1%上昇・ブランド親近感6ポイント上昇と差が見られました。しかし、意外なことにアナウンサーリードのほうがホストリードよりも「ブランド認知度」を上げる効果が高かったそうです。
このレポートの結論として、ポッドキャスト広告を検討しているマーケティング担当者にとって、3種類の広告読み上げタイプを組み合わせることがリーチと効果を最大化する効率的な方法であると指摘しています。「アナウンサーリード」は、ブランド認知度のようなファネル上層の指標に効率的、「他の番組のホストによるタレントリード」は、ブランド親近感のようなファネル中間層の指標に効果的、「ホストリード」は、購入意向などファネル下層の指標に効果的とのこと。
ではまた!