ウェブ電通報にて、電通メディアイノベーションラボ / 電通総研による「情報メディア白書2024」の特集記事の中から「デジタルサービスで活性化する音声メディアの現在と今後の可能性について」の一部が紹介されました。今日はこのニュースを紹介します。
ウェブ電通報 / 「耳の可処分時間」が拡大!デジタルサービスで活性化する音声メディア
■音声メディアサービスの進化と聴取環境の整備が、広告費の増加に寄与
2023年にラジオデジタル広告費が増加した理由として、コロナ禍のステイホーム期間中に音声サービスの利用が拡大し、関連広告費も増加したとしています。またコロナ禍以前から、音声配信プラットフォーム、既存メディアによる音声コンテンツ、オーディオブック、スマートスピーカー、ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンの普及、AIによる音声認識や音声合成技術の進化など、音声メディアに関わるサービスの進化とその広がりが進行したことがあげられています。
■「耳を暇にしたくない」あらゆるシーンで使われる音声メディアの利用実態
音声メディアの利用実態の調査結果も紹介されました。
メディアリーチをみると、音声メディア全体のMAUは43.6%、ラジオ/radikoのMAUは30.6%、音楽配信のMAUは24.8%、音声コンテンツのMAUは7.4%とのこと。年代別で見るとラジオ/radikoでは高年齢層になるほど利用率が高く、反対に音楽配信サービスでは低年齢層になるほど利用率が高い傾向になっています。
自宅内の利用シーンをみると、音声メディアは、起床時、身支度中、家事・育児中、雑用中の利用が動画・SNSと比較して、高い比率となっています。また「仕事中(在宅勤務)」「勉強中」は、音声メディアの比率が他と比べて明らかに高いことがわかります。
自宅外の利用シーンをみると、車の運転中・仕事中はラジオ/radikoが最も高く、歩行中や公共交通機関での移動中は、音楽配信サービスが最も高い結果となっています。
■広がる音声コンテンツの取り組み
コンテンツの広がりに関しては、ポッドキャストの国内人気の高まりによる番組増加・リスナー増加、オーディオブックのコンテンツ増加、CROSS FMのAIホリエモンなどラジオとインターネットの連動ビジネスの模索などが挙げられています。
■「耳の可処分時間」の獲得のための「感覚器ニュートラル」なプランニング
従来のラジオは主に音楽・娯楽・ニュースといった動機からの利用が中心。一方今日の音声メディアは、それらに加えて、自己研さんしたい、「セルフBGM」を楽しみたいなどの、新しい動機や目的を取り込みつつあると指摘しています。そして、「ながら」聴取や「すきま」時間での聴取は「耳の可処分時間」を拡大させ、結果さまざまなプレーヤーがこの可処分時間の争奪戦に参画しつつあります。
そんな中、単純なメディアの特性だけでなく、目的、利用シーン、目と耳の注意をどれだけ獲得できている状態での接点となるのかなどを十分に洞察した上での、目と耳の「感覚器ニュートラル」なプランニングが、重要としています。
ではまた。