中国の音声配信プラットフォーム最大手「Ximalaya(喜馬拉雅、シマラヤ)」が2024年4月12日、香港証券取引所に再び上場目論見書を提出しました。今日はこのニュースを紹介します。
Bamboo Works / Ximalaya aims high in third listing attempt
Ximalayaの上場の話はこれで3度目となります。2021年5月1日に米NasdaqにIPO申請していましたが、申請を取り下げるよう中国政府当局から圧力を受けたと報じられた後、2023年9月に香港取引所に市場を変更してIPO申請をしていました。しかしこれが承認されず、今回2024年になって改めて再申請をしているというものです。
この間、Ximalayaはコスト管理に注力しながらも緩やかな成長を維持した結果、昨年初めて純利益と調整後利益の両方で黒字となっています。これは大手Spotifyを含む多くの世界的な同業他社が達成できなかった偉業といえます。
今回のIPO申請書類によれば、昨年末時点でプラットフォーム上に4億8,800万のオーディオトラックと36億分のコンテンツを保有しており、昨年ユーザーがそのコンテンツを聴いた時間は驚異の1兆8,000億分となっています。また月間アクティブユーザー数(MAU)は中国人口の約4分の1に相当する3億300万人。しかもこれらのユーザーは1日平均130分聴いているとのこと。
売上は2021年に8.1億ドル(約1,250億円)、2022年に8.4億ドル(約1,300億円)、2023年に8.5億ドル(約1,310億円)と着実に増加。利益は2023年10〜12月期は5四半期連続の黒字を達成し、2023年通年の調整後純利益は3,100万ドル(約48億円)となっています。
主幹事証券会社はゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、中国国際金融(CICC)の大手3社共同という布陣。またXimalayaの株主にはテンセント、バイドゥ、シャオミ、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ジェネラル・アトランティック、ゴールドマン・サックスなど大手企業が名を連ねています。
今回のIPOによる資金調達額については、香港でのIPO申請では慣例のとおりIPO申請書類には金額が記載されていませんが、報道によればXimalayaの時価総額は約17億ドル(約2,600億円)、IPOで1億ドル(約154億円)をはるかに超える資金調達が行われる可能性が高いとされています。
ではまた。