DoubleVerifyが新たな大規模オーディオ広告詐欺スキーム「FM Scam」に警鐘

デジタルメディア測定・データ分析プラットフォームを展開するDoubleVerifyが、オーディオ広告詐欺(アドフラウド)の仕組みである「FM Scam」に関するレポートを公開しました。今日はこのニュースを紹介します。

DoubleVerify / DV Uncovers New Large-Scale Audio Ad Fraud Scheme that Spoofed Over 500,000 Devices in March 2024

「FM Scam」は、2024年3月にDoubleVerifyのFraud Labによって特定・発表された大規模なオーディオ広告詐欺スキームです。FM Scamの仕組みは、専用のサーバーを使用してオーディオトラフィックを偽造、オーディオコンテンツの再生に使用されるさまざまなデバイスを模倣し、不正なトラフィックを正当なトラフィックと混同させます。そして、SSPやアドエクスチェンジ、アドネットワークを通じて無効なトラフィックをオークションにかけてお金を不当に得ています。

「FM Scam」は、すでにあったオーディオ広告の無効トラフィック詐欺スキーム「BeatSting」に続く2番目のアドフラウドとのこと。

「BeatSting」と「FM Scam」を比較すると、なりすますデバイスがモバイルデバイスだけでなくスマートスピーカー・コネクテッドTV・オーディオプレーヤーなどまで拡大されていること、またBeatStingは一定数のインプレッションを生成した後にデバイスを切り替える仕組みに対して、FM Scamはトラフィックパターンをランダム化しより人間らしく見えるインプレッションになっているとのこと。より対象を広げ、より巧妙なスキームになっているというわけです。

DoubleVerifyによればFM Scamは2024年3月に50万台以上のデバイスを偽装、毎月最大1億件の広告リクエストを生成し、ピーク時には広告主の月間100万ドルの広告費が無駄になっていたと報告されています。

DoubleVerify 最高イノベーション責任者 / ジャック・スミス氏コメント
オーディオは詐欺師にとって急速に利益の高いターゲットになりつつあります。オーディオコンテンツのストリーミングに使用されるプレーヤーやデバイスの範囲や環境は、他のメディアとは一線を画しています。詐欺師は、広告投資を引き付けるものの、包括的な測定基準がない、オーディオのような新しいメディアをターゲットに定める傾向があります。

ではまた。