音声AIのElevenLabs、日本法人を設立。アジア展開を本格化

音声AIに特化したテクノロジーカンパニー、ElevenLabs(イレブンラボ)は14日、初の海外拠点となる日本法人「イレブンラボ合同会社(ElevenLabs G.K.)」を東京に設立したと発表した。これにより、日本およびアジア太平洋地域での事業展開を本格化させる。

ElevenLabs / 音声AIユニコーンのElevenLabsシリーズCで1.8億ドルを調達後、初の海外拠点として日本法人を設立

同社は2025年1月、シリーズCラウンドで1億8000万ドルの資金調達を実施。今回の日本法人設立は、そのグローバル成長戦略の一環として位置づけられている。

新設の日本法人では、ElevenLabsが提供する最先端の音声生成プラットフォームの日本・韓国市場向けサポートのほか、日本語特有の言語的・文化的ニュアンスへのローカライズ対応を進める方針。

アジアで進むパートナーシップ
ElevenLabsはすでにアジア地域でのパートナーシップを複数展開。代表例は以下の通り。
 ・DOCOMO Innovations, Inc.(NTTドコモの米国R&D子会社)
 ・TBS(東京放送ホールディングス)
 ・MBC C&I(韓国の主要放送局MBCの子会社)
 ・LLSOLLU(韓国の翻訳・ローカライズ技術企業)
たとえばTBSでは、世界的に有名なスケーターたちが競い合う番組『KASSO』においてElevenLabsの音声吹替技術が導入され、多言語化によるグローバル視聴者向けの配信が行われている。

多言語・感情表現にも対応する音声AI
ElevenLabsの技術の強みは、各種言語特有の複雑さに対応できる点。各言語が持つピッチアクセントや文脈による多様な表現といった話し言葉特有の難しさに対応できる点にある。ElevenLabsによる技術は、各言語の自然な話し方を再現しながら感情表現の幅を実現している。

ElevenLabsとは
ElevenLabsは、AI音声に特化した研究・実用化を進めるテクノロジーカンパニー。ポーランド出身のマティ・スタニセフスキーCEOとピョートル・ダブコフスキーCTOにより共同創業。両者は映画の吹替品質に課題を感じたことをきっかけに起業した。社員数は1年間で30名から160名に増加。現在はロンドン、ニューヨーク、ワルシャワに拠点を持ち、今回の東京拠点設立が海外展開の第一歩となる。同社は「あらゆる声・言語・音で情報にアクセスできる未来の実現」を掲げ、音声AIの可能性を拡張する、統合型音声プラットフォームの構築を進めている。

公式サイト(日本語):
https://elevenlabs.io/ja