NTT西日本の音声AI「VOICENCE」に金田朋子ら声優5名が新たに参画

NTT西日本が運営する音声AI事業「VOICENCE(ヴォイセンス)」は2026年5月8日、新たに5名の声優・アナウンサーとマネジメント会社の参画を発表しました。音声IPの権利保護と健全な活用の両立を掲げる同サービスが陣容を拡充し、音声AI市場のさらなる活用領域拡大を目指します。

「VOICENCE」とはどんなサービスか

「VOICENCE」は、NTT西日本が2025年10月27日に社内独立組織「VOICENCEカンパニー」を設置して開始した音声AI事業です。声優・俳優・アーティスト・芸人などの実演家の「声の権利を守り、声の価値を高める」ことをコンセプトとしています。

技術的な特徴としては、わずかな音声データから本人の声色を再現し、その声色を維持したまま多言語での出力が可能な点が挙げられます。さらに、NTT西日本独自のブロックチェーン技術を活用した「トラスト技術」により、公認AIの声であることを証明する証明書データを付与することで、IPホルダー(声の権利保持者)の権利を保護する仕組みを採用しています。

新たに5名の声優・アナウンサーとアミュレートが参画

今回の発表では、仲村宗悟さん、内田彩さんをはじめとする5名の声優・アナウンサーと、声優・俳優のマネジメントを行う株式会社アミュレートが新たにVOICENCEパートナーとして参画しました。また、「ふたりはプリキュア」などで知られる南央美さんと、アナウンサーの野嶋紗己子さんもパートナーに名を連ねています。

これにより、ナレーションからキャラクターボイスまで幅広いニーズへの対応が可能になるとされています。

既存パートナーとの関係性

VOICENCEはこれまでも、俳優・別所哲也さん、声優の花江夏樹さん、春日望さん、バーチャルYouTuberのKizuna AIさんをパートナーとして迎え、広告やコンテンツ領域での音声活用を進めてきました。今回の5名追加により、パートナーの声の種類・表現の幅がさらに広がることになります。

参画パートナーのコメント

南央美さんは「変化の大きい時期だからこそ、演者も聴く方々も楽しめる表現の世界が広がることを願って参加した」とコメント。野嶋紗己子さんは「声の力や可能性をテクノロジーによってより多くの方に届けられることに大きな可能性を感じている」と述べています。

株式会社アミュレートの代表取締役社長・斉木隆氏は、「音声IPの適切な活用とタレントの権利保護を重視するVOICENCEの方針に共感している」とし、「声優・アーティストの創造性を守りながら新たなビジネスモデルを構築することで、業界全体の発展に貢献したい」との考えを示しています。

急拡大する音声AI市場と「声の権利」をめぐる課題

VOICENCEが事業を開始した2025年10月以降、音声AI市場ではスタートアップ企業の台頭や大手企業の参入が相次いでいます。一方で、権利処理や利用ルールの標準化は依然として発展途上にあり、業界全体で模索が続いている状況です。NTT西日本はこうした状況を「音声IPの黎明期」と捉え、適正な活用と権利保護の両立に取り組んでいます。

今後の展開

VOICENCEは今後、同一IPにおいて複数の音声バリエーションを展開し、企業やブランドごとの世界観・トーンに合わせた最適な声のマッチング提供を目指すとしています。また、IPホルダーとの対話と合意形成を重視した運用によって、安心して利用できる音声活用環境の構築を進める方針です。

音声AIの市場拡大が続く中、日本国内でも「声の知的財産」をどう守りながら活用するかという議論は今後ますます重要になっていくでしょう。NTT西日本という大手通信会社がブロックチェーンを活用した権利保護の仕組みを業界に提示したことは、日本の音声AI市場の健全な発展に向けた一つのモデルケースとして注目されます。

参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000182166.html