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相槌で止まらない音声AI Verbexが「Adaptive Interruption」を強化

音声対話AIプラットフォームを提供する株式会社Verbexは、相槌や雑音と意図的な割り込みを識別する「Adaptive Interruption」を強化しました。テレビ東京ダイレクトの「虎ノ門市場」の受注AIに適用した結果、AIのみで受注を完結した割合は40~50%程度から65%超に向上しています。

相槌と本当の割り込みを識別する「Adaptive Interruption」

株式会社Verbexは、利用者の相槌やうなずき、咳、周囲の雑音などと、会話を止めようとする意図的な割り込みを識別する「Adaptive Interruption(適応型割り込み処理)」を強化したと発表しました(2026年9月17日)。

同機能を活用した株式会社テレビ東京ダイレクトの通販サービス「虎ノ門市場」の受注AIでは、実運用で設定していた業務KPIを達成しています。人による折り返し対応を必要とせず、AIだけで受注処理を完結した「折り返し無し架電受注率」は、従来の40~50%程度から65%超まで向上しました。

開発の背景:相槌のたびにAIが話を止めてしまう問題

人間同士の会話では、相手の話を聞きながら「はい」「ええ」「なるほど」「うん」といった相槌を入れるのが一般的です。これらの多くは話を止めてほしいという意思表示ではなく、「話を聞いている」という反応です。

一方、一般的な音声対話AIでは、VAD(Voice Activity Detection:音声区間検出)によって利用者側から一定以上の音声が検出されると、AIの発話を停止する仕組みが採用されています。

VADは音の発生を素早く検知できますが、その音が意図的な割り込みなのか、相槌や咳、笑い声、テレビや周囲の会話などの背景音なのかまでは判断できません。そのため、感度を高くすると相槌や雑音のたびにAIが発話を止め、感度を低くすると利用者が本当に話したい場面でもAIが話し続けてしまうという課題がありました。

音の有無ではなく「会話を止める意図」を判断する仕組み

VerbexのAdaptive Interruptionは、VADによる音声検知の直後に独自の音響モデルを動作させ、検出された音声がAIの発話を止めるべき割り込みかどうかを判断します。解析する主な音響的特徴は次のとおりです。

  • 音声がどの程度急激に始まったか
  • 発話が一瞬の相槌か、継続的な発話か
  • 声の高さやリズム
  • 会話を遮ろうとする発話特有の音響パターン

文字起こしの完了を待たず、発話開始直後の音声波形から判断するため、低遅延を維持しながら相槌と割り込みを識別できます。同社は、最初の数百ミリ秒で割り込み意図を判断する仕組みを構築したとしています。

例えば、AIの説明中に利用者が「はい」「うん」「なるほど」と発話した場合、AIは説明を続けます。一方、「ちょっと待って」「それではなくて」「住所を変更したい」といった修正や方向転換を伴う発話では、AIは速やかに発話を止め、利用者の話を聞く状態に移行します。

「虎ノ門市場」の受注AIで受注完結KPIを達成

テレビ通販の受注電話では、氏名、住所、電話番号、商品、数量、配送希望など複数の情報を会話の中で正確に確認する必要があります。特に、AIが住所や注文内容を読み上げて確認する場面では、利用者が「はい」「ええ」と相槌を打つことが多くあります。

従来の割り込み処理では、こうした相槌でAIの発話が途中で止まり、確認内容の再読み上げや会話のやり直しが発生することがありました。Verbexは「虎ノ門市場」の受注AIにAdaptive Interruptionを適用し、相槌やうなずきによる不要な発話停止を抑えて、注文確認までの会話が途切れにくい状態に改善しました。

改善前

  • 利用者の「はい」「うん」などの相槌でAIが発話を停止
  • 商品や住所の確認を途中からやり直すケースが発生
  • 会話の流れが崩れ、AIだけでは受注を完了できない電話が発生
  • 人間のオペレーターによる折り返し対応が必要

改善後

  • 相槌や短い反応を、会話を止める意図のない発話として判定
  • AIが確認事項を最後まで自然に読み上げ
  • 本当の訂正や質問があった場合は速やかに発話を停止
  • AIだけで注文を完結できる電話が増加
  • 折り返し無し架電受注率が65%超まで向上

音声認識精度だけでは業務を完結できない

Verbexは、音声対話AIの品質は音声を正確に文字へ変換できるかだけでは決まらないとしています。AIが発話を始めるタイミング、利用者の発話を待つ時間、相槌を受け流す判断、訂正や質問があった際に発話を止める速度など、会話全体を制御する技術が必要だという考えです。

相槌のたびに発話を止めるAIは、音声認識の精度が高くても利用者に機械的で不安定な印象を与えます。反対に、利用者が会話を止めようとしているのに話し続けるAIも実用的とはいえません。同社は、こうした対話制御技術をSpeech-to-Text、Text-to-Speech、対話シナリオ、業務システム連携と一体で改善し、受注、予約、問い合わせ受付などの業務を最後まで完結できる音声対話AIの提供を目指しています。

Adaptive Interruptionの主な特徴

  1. 相槌とうなずきを適切に無視:話者交代を求めていない短い反応を識別し、AIの発話を継続します。
  2. 本当の割り込みには速やかに反応:訂正、質問、制止などを検知し、AIの発話を停止します。
  3. 文字起こしを待たず音声から判断:発話開始時の波形、継続時間、声の高さ、リズムなどを分析し、低遅延で判断します。
  4. 実際の会話環境を前提に設計:咳、笑い声、生活音、テレビ、周囲の会話などを含む電話環境でも不要な発話停止を抑制します。
  5. 業務完結率の向上に直結:会話の中断ややり直しを減らし、AIだけで完結できる割合を高めます。

株式会社Verbexについて

Verbexは「声で世界をつなぐ」をミッションに、独自の音声対話技術を研究開発しているAIスタートアップです。STT(Speech to Text)、TTS(Text to Speech)、Speech Engineなど音声対話に必要な機能やデータのトレーニングメソッドを独自に研究開発し、自然で低遅延な対話を実現する音声AIプラットフォームを提供しています。

経営メンバーはバングラデシュと日本のシリアルアントレプレナーで構成されています。日本を含む25カ国で56件の特許を保有しています。

参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000172103.html

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