部屋いっぱいの大学生に、AIが生成したポッドキャストを聴いてもらい、1~5段階で評価してもらうとどうなるでしょうか?今回はamplifi mediaによる調査結果を紹介します。

amplifi media / What Happens When College Students Critique AI-Generated Podcasts
ニューヨーク大学でポッドキャスティングビジネスの授業中に実験を行い、教室をミニフォーカスグループに見立て、AIが生成したポッドキャストに対する学生の反応を探りました。各生徒は、インセプション・ポイントAI社からAI生成番組を1つ選びました。同社は、 『アガサ・クリスティの失踪』から『野菜をピカピカにする方法』まで、あらゆるテーマで毎週数百ものエピソードを自動生成している企業です。
約450本の番組の中から面白そうな番組を選び、視聴して評価しました。最低評価は1、最高評価は5です。
高得点は稀でした。RedditとHow to Train Your Dogは4点台を獲得しましたが、他のほとんどのアプリは中程度かそれ以下のスコアでした。平均は2.3でした。
興味深いことに、好成績を収めた数少ないAIポッドキャストは、「How to Train Your Dog」や「The Science Behind Strength」のような教育的なものでした。
情報が正しくて役に立つものであれば、それがAIであることは問題か?という問いにほとんどの学生が問題だと答えました。彼らは、ポッドキャストは人間の媒体だと認識しています。彼らは、声、癖、笑い、さらには脱線さえも楽しみにしていました。ある学生はこう言いました。「ポッドキャストを聴くのは、その人の個性を知るためです。だからこそ、ポッドキャストを気にかけるんです。」
しかし、AIはポッドキャストをより身近なものにしたり、ニッチなトピックを素早くカバーしたりできると主張する学生もいました。彼らにとって、AIはポッドキャストに取って代わるものではなく、補足的なものになる可能性があるのです。
また、事実に基づいた内容やリスト中心のAI番組について、同じ情報を聴くか読むかという質問もしました。ほぼ全員の回答が一致し、読むことを好みました。ポッドキャストの魅力である温かみ、テンポ、個性が欠けているため、Wikipediaのページを読み上げられているような気分だと答えた学生もいました。AIが生成するポッドキャストが5年後にどのような音声になるかを想像してもらうと、ほとんどの人が技術がさらに向上し、ひょっとすると良すぎるほどになるだろうと同意しました。
AIは個性を発達させ、より自然な音声になるだろうと予測する人もいました。一方で、AIがよりリアルになるにつれて、本物の物語と人工的な模倣の境界線が曖昧になるのではないかと懸念する人もいました。
この実験は、ポッドキャスティングの感情的なDNAについて多くのことを明らかにしました。
1 .情報だけでは不十分です。人間的な口調と信憑性はコンテンツと同じくらい重要です。
2 .透明性は信頼を築きます。番組がAI製かどうかを知ることは、その番組の受け止め方に影響を与えます。
3. AIは没入感ではなく、実用性に対して最も効果を発揮します。暖かさが期待されない、短く事実に基づいた説明で最も効果的です。
4 .人間とのつながりが依然として差別化要因です。声、脆弱性、実体験が、視聴者を呼び戻すものです。
AIは、書く、読む、そして今では話すことができます。しかし、つながることができるでしょうか?今回の研究では、まだそうではないことが示されています。今のところ、すべての優れたポッドキャストの秘密の要素は変わりません。それは、何かを語る本物の人間の声です。
今回の紹介は以上です。
それでは、また。

