シヤチハタ、エヴィクサー、サイバートラストの3社は、コンテンツ来歴検証サービス「SIGNED SOUND」において、音声コンテンツの来歴情報に誰がいつ署名したかを確認できる仕組みを実装したと発表しました。国際標準「C2PA」に基づく機能です。

3社が「SIGNED SOUND」にC2PA署名主体確認を追加
シヤチハタ株式会社(本社:愛知県名古屋市西区、代表取締役社長:舟橋正剛)、エヴィクサー株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長CEO:瀧川淳)、サイバートラスト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:北村裕司)の3社は、シヤチハタのコンテンツ来歴検証サービス「SIGNED SOUND(音のしるし)」において、音声コンテンツに記録される来歴情報に、誰がいつ署名したかを確認できる仕組みを実装したことを発表しました。
この機能により、ディープフェイクや偽・誤情報の拡散リスクに対し、配信元が自社の音声コンテンツの真正性を国際標準の「C2PA(Coalition for Content Provenance and Authenticity)」でより確実に証明できる環境が提供されます。
3社は、SIGNED SOUNDにエヴィクサーの音響識別技術「C2PAソフトバインディング」と、サイバートラストの電子証明書「iTrust C2PA用証明書」を連携させ、配信元が自社の正規音声コンテンツに来歴の「しるし」を残し、視聴者や二次拡散先がいつでも登録原本と照合できる機能を実現したとのことです。
なお、SIGNED SOUNDが確認できるのは、登録された原本との照合結果および記録された来歴情報であり、C2PA署名・タイムスタンプを含め、コンテンツ内容の真実性や発信者の権限・法的真正性を保証するものではないとされています。
背景:C2PAのソフトバインディングが解決する課題
生成AIの急速な普及と並行して、ディープフェイクの悪用や偽・誤情報の拡散が社会課題となっています。自治体の公式発表、報道機関の映像、企業の広報・IRコンテンツは、一部を切り取られたり、順序を入れ替えられたり、合成音声を挿入されたりした偽情報を拡散されるリスクにさらされているといいます。
これに対し、コンテンツの出所と来歴を検証可能にする国際標準「C2PA」の活用が進んでいますが、従来の仕組みでは来歴情報(C2PAマニフェスト)はファイルに付随して運ばれるため、SNSへの再アップロードや変換の過程で外れてしまうことが課題でした。C2PAはこれに備え、コンテンツ自体から来歴を照会し直す仕組み「ソフトバインディング」を標準仕様に定めています。SIGNED SOUNDは、このソフトバインディングをエヴィクサーの音響識別技術で実装し、記録された来歴情報の署名主体をサイバートラストの電子証明書で確認できるようにしています。
3社それぞれの役割
シヤチハタは、上記をSIGNED SOUNDとして統合し、来歴証明書の発行主体およびプラットフォーム運営を担います。配信元は配信前にコンテンツへ来歴情報を付与し、配信後は登録原本との対応関係を照会できます。
エヴィクサーの音響識別技術は、動画・音声の音声トラックに、通常の再生では知覚されにくい電子透かしを埋め込み、あわせて音声の特徴点(音響フィンガープリント)を抽出します。これらのアルゴリズムはC2PA公式Soft Binding Algorithm Listに登録されており、再エンコードや放送・空間伝搬(スピーカーからマイク)を経ても照会できるよう設計されていますが、すべての処理条件で検出を保証するものではないとしています。
サイバートラストは2024年2月にC2PAへ参画し、デジタルコンテンツの出所・来歴を検証するためのトラストサービスを提供しています。今回、SIGNED SOUNDでは「iTrust C2PA用証明書」を活用し、タイムスタンプとあわせて、来歴情報についてどの組織がいつ発行したものかを確認できるとしています。
ソフトバインディングと署名主体の仕組み
C2PAには、来歴情報をコンテンツに結び付ける方式として、ファイルに直接埋め込む「ハードバインディング」と、コンテンツの特徴量から照会する「ソフトバインディング」があります。SIGNED SOUNDは、エヴィクサーの音響電子透かしと音響フィンガープリントをSoft Binding Algorithm List登録アルゴリズムとして用い、来歴情報がコンテンツから切り離された後でも音声から照会できるようにしています。SIGNED SOUNDの来歴は、音響電子透かし・音響フィンガープリント・C2PA署名の3層で構成され、署名層をサイバートラストの電子証明書「iTrust C2PA用証明書」が担います。
今後の展望
3社は、C2PA署名による来歴検証の仕組みを、自治体や報道機関、企業の広報・IRといった配信元に広げ、偽・誤情報の抑止とデジタルコンテンツの信頼性向上に取り組むとしています。また、外部の開発者やパートナーが自社サービスに組み込めるよう、API・SDKの提供も今後検討するとのことです。
会社概要
- シヤチハタ株式会社:愛知県名古屋市西区/代表取締役社長 舟橋正剛/電子印鑑・電子決裁「Shachihata Cloud」等を展開
- エヴィクサー株式会社:東京都中央区/代表取締役社長CEO 瀧川淳/音響識別技術を核とするコンテンツ真正性ソリューションを提供
- サイバートラスト株式会社:東京都港区/代表取締役社長 北村裕司/日本初の商用電子認証局として2000年より認証・セキュリティサービスを提供
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000423.000005556.html


