カナダのオーディオ調査会社Signal Hill Insightsは2026年10月7日、「Audio on the Move」の第2弾レポートを発表しました。車内での聴取時間はAM/FMラジオが46%で首位を維持し、音楽ストリーミングが27%で続きます。また、完全にAIで生成されたポッドキャストを嫌う人は68%にのぼることが明らかになりました。

「Audio on the Move」第2弾レポートの概要
Signal Hill Insightsは、2026年10月7日にカナダ・トロントから「Audio on the Move」の第2弾レポートを発表しました。「Audio on the Move」は、12歳以上のカナダ人が「どのように」「いつ」オーディオを聴いているかを包括的に把握するための調査で、カナダ初の総合的なオーディオ調査と位置づけられています。成長を続けるオーディオ業界に向けて、聴取実態の全体像を提供することを目的としています。
今回のレポートでは、車内でのオーディオ聴取の実態と、AIで生成された音声コンテンツに対する意識が主なテーマとなっています。
車内オーディオはAM/FMラジオが46%で首位
調査によると、AM/FMラジオはカナダの車内で最も利用されているオーディオメディアの地位を維持しています。前日の車内聴取時間に占める各メディアのシェアは以下のとおりです。
- 1位:AM/FMラジオ 46%
- 2位:音楽ストリーミングサービス 27%
- 3位:YouTube上の音楽(YouTube Musicを含む) 11%
YouTubeが車内聴取で上位に入ったことは、同プラットフォームがオーディオの主要な聴取先になりつつある流れと一致しています。「Audio on the Move」の第1弾レポートでは、YouTube上の音楽が、広告付きオーディオ全体の消費において2番目に大きなシェアを占めていることが明らかになっていました。
オーディオを聴く場所は「自宅」が59%で最多

車内に限らず、すべてのオーディオ聴取について場所別に見ると、聴取時間の割合は以下のとおりです。
- 自宅:59%
- 車内:24%
- 職場・学校:12%
聴取時間の過半数は自宅で発生しており、車内はカナダ人のオーディオ消費時間のおよそ4分の1を占めています。
ストリーミングとラジオの差は急速に縮小
Signal Hill Insightsのリサーチ担当副社長であるMatt Hird氏は、車内での聴取もオーディオ全体と同様にダイナミックに変化していると述べています。同氏によると、ラジオは依然として大きくリードしているものの、ストリーミングサービスがシェアを伸ばしており、YouTubeと音楽ストリーミングを合算すると、ストリーミングとAM/FMラジオの差は急速に縮まっているとのことです。
完全AI生成のポッドキャスト・音楽を大多数が否定

今回のレポートでは、完全にAIで生成されたオーディオコンテンツへの意識も調査されています。
背景として、Ipsosの「AI Monitor 2026」では、カナダはAIを使った製品やサービスに対する「期待」で32カ国中最下位、同じサービスに「不安を感じる」とする割合では最上位となっています。「Audio on the Move」の結果は、この懐疑的な姿勢がAI生成のポッドキャストや音楽にも及んでいることを示しています。
調査方法
調査は、全国を代表する12歳以上のカナダ人6,161人のサンプルを対象に実施されました。回答者には、各メディアでAIを使ってコンテンツを作成することについてどう感じるかが質問されています。なお、ここでの対象は、編集や手直しにAIを使ったものではなく、AIで完全に作成されたコンテンツです。
AI生成コンテンツへの評価
- 音楽:好き 5%/嫌い 65%/どちらでもない 29%
- ポッドキャスト:好き 4%/嫌い 68%/どちらでもない 28%
AI生成コンテンツを「好き」と答えた人は音楽で5%、ポッドキャストで4%にとどまり、圧倒的多数が否定的な評価を示しました。中立的な回答は3分の1未満でした。
12〜17歳は比較的中立的
最も若い12〜17歳の層は、他の層と比べるとAI生成オーディオへの否定的な見方が弱く、中立的な回答が多い傾向にあります。ただし、全体として肯定的な評価が上回るまでには至っていません。この層では、AI生成のポッドキャストまたは音楽を嫌う人が半数を占め、中立的な回答はポッドキャストで42%、音楽で37%でした。
「嫌い」は「好き」の13倍以上
Hird氏は、完全にAIで生成された音楽やポッドキャストが急増し、オーディオ業界で議論を呼んでいることから、カナダの消費者がこれらをどう受け止めているかを把握することが重要だと考えたと説明しています。同氏によると、調査結果からは支持がほとんどないことがわかり、AI生成オーディオを嫌う人は好む人を少なくとも13対1の比率で上回っています。
比較のため、調査ではソーシャルメディア上の画像や動画、オンライン記事・ブログ・ニュースなど、他のプラットフォームにおける完全AI生成コンテンツへの意識も尋ねています。これらでも明確な過半数のカナダ人がAI生成コンテンツを嫌っており、最も割合が低かったソーシャルメディア上のAI生成画像やミームでも60%が「嫌い」と回答しました。これは音楽の65%よりわずか5ポイント低い水準です。
Signal Hill Insightsについて
Signal Hill Insightsは、ポッドキャスト、ストリーミングオーディオ、ラジオのブランドリフト調査と、アンケートに基づくオーディエンス分析を中核とするオーディオ調査会社です。放送局、パブリッシャー、広告主と連携し、オーディオ向けのカスタム調査ソリューションを提供しています。主なパートナーには、Acast、All-City Network、Audioboom、Cumulus/Westwood One、Gumball、Libsyn、Soundrise、SiriusXM、Triton Digitalなどの業界大手が含まれます。
まとめ
「Audio on the Move」第2弾レポートでは、カナダの車内オーディオはAM/FMラジオが46%で首位を保つ一方、音楽ストリーミング(27%)とYouTube上の音楽(11%)が存在感を高めていることが示されました。また、完全AI生成のポッドキャストを嫌う人は68%、音楽では65%にのぼり、「好き」と答えた人は5%以下にとどまっています。オーディオ業界にとって、車内聴取の変化とAI生成コンテンツへのリスナーの受け止め方は、今後も注目すべきテーマといえます。
参照元:https://podnews.net/press-release/audio-on-the-move-canada-2026

