ロンドンのポッドキャストスタジオ「Noiser(ノイザー)」が、バイノーラル録音による3Dサウンドを今後全作品に導入することを発表しました。今回はこのニュースをお伝えしていきます。
Noiser / Noiser launch 3D sound across their network
Noiserは、実際に起きた犯罪事件や未解決事件に焦点を当てた「True Crime(トゥルークライム)」と呼ぶポッドキャストの人気ジャンルで数々の番組を制作し、受賞歴も多数ある独立系ポッドキャストスタジオです。
True Crimeポッドキャストは、事件の解説にとどまらず、事件の再現、関係者の証言、法的なプロセスや捜査手法の解説、臨場感溢れるサウンドデザインなどを通じて、事件の全体像を描き出し、多くのリスナーが事件の背後にある謎や心理を探求することに惹きつけられています。
そんな番組がバイノーラルサウンドで録音され3Dサウンドで提供されるというのだから、リスナーがそこにいるかのような臨場感、没入感が大幅にアップすることは間違いなく、ファンにはたまらない発表だと思います。
Noiserのサウンドデザインおよびミキシングとマスタリングの責任者であるトーマス・ピンク氏がプレスリリースの中でその仕組みや今後の展開について説明しています。
バイノーラルサウンドや3Dサウンドは、私たちが耳で音を認識する方法を模倣したサウンドエフェクトの処理方法です。私たちの耳は、何かが目の前にあるのか、後ろにあるのか、上にあるのか、下にあるのか、また、何かがどの方向に動いているのかを判断するのに長けています。バイノーラルエンコーダーを使うことで、ヘッドホンで聞いたときに、まるで自分の周りでリアルタイムに起こっているのと同じように、効果音を認識することができるようになります。
バイノーラルサウンドは、「Real Dictators」、「Short History Of」、そして最新のポッドキャスト「Detectives Don’t Sleep」のいくつかのエピソードでご紹介してきました。この夏、新しいサバイバル・シリーズを開始することになり、私たちは興奮しています。このエキサイティングな新シリーズは、非日常的な状況を生き抜く普通の人々の生の声を取り上げ、リスナーが完全に没入できるよう、全エピソードで3Dサウンドを採用します。
左右の動きしか表現できないステレオとは異なり、3Dサウンドはリスナーが3次元で聞いているように感じることができるというのがポイントです。
しかも、リスナー側は特別な機材は不要で、単にヘッドホンを使って聴くだけで体感することができるのがいいところです。ただし、ヘッドホンではなく、スピーカーで聴く場合は、音が歪むことはないにせよ、3Dサウンドの効果を十分に享受することはできないので注意が必要です。
実際にTrue Crime作品「Detectives Don’t Sleep」で、3Dサウンドを実際に聴くことができます。
この作品は、19世紀後半から20世紀初頭にかけてイギリスで活躍した実在の刑事、ジェローム・カミナーダが手がけた未解決事件を再検証し、真相に迫るというもの。英語が苦手な方でもこの臨場感は聴けばわかるほどすごいですよ。
ではまた!