オーディオおよびポッドキャスト企業に投資を行う「DWNLOAD MEDIA」のCEO、クリス・ピーターソン氏が「2024年はポッドキャスト市場に投資する絶好のタイミングである」と主張する最新レポートを発表しました。今日はこのニュースを紹介します。
DWNLOAD Media / THE DWNLOAD REPORT 2024 – The Case for Increased Investment in the Podcast Industry
最近、海外では配信プラットフォーマーがレイオフで人員削減、ポッドキャストスタジオが縮小・閉鎖するといった一部ポッドキャスト業界にネガティブなニュースが報じられています。そんな中で、クリス・ピーターソン氏は「問題がないとは言いません。今は市場の調整が起こっている状態です。そしてこれは業界全体にとって良いことなのです。苦痛はありますが、必要なことです。そして、データは嘘をつきません。ポッドキャストのリスナーと収益は急激に増加しています。私達はポッドキャスト市場が現在では非常に過小評価されていると考えています。」と語っています。
■米国市場のポッドキャスト広告収入の成長予測
ポッドキャスト広告が急成長しているのは様々なレポートで示されていますが、今回クリス・ピーターソン氏は、ほとんどのデジタルメディアよりも急成長していることを改めて指摘しています。
■30億ドル規模の国内ポッドキャスト市場は前年比2桁成長を続ける
米国のポッドキャスト市場の規模は30億ドルで、ポッドキャスト広告がラジオに追いつくにはまだ時間がかかりますが、ラジオの10倍の速度で成長しているそうです。
また米国成人の消費者行動はポッドキャストに好ましい変化を見せていると指摘しています。米国の成人は平均して毎日7時間をスクリーンに費やしており、56%がこの時間を削減しようとしています。ポッドキャストであればスクリーンに縛られずに聴取でき実際38%が運転中、32%がワークアウト中、10%がスマートスピーカーでポッドキャストを聴いているとのこと。これはポッドキャスト業界にとっては追い風であるというわけです。
また米国以外を見てもポッドキャスト市場の成長は続いており、中国に推定1億4,400万人のポッドキャストリスナーがおり、インドネシアのポッドキャストリスナーは全人口の40%まで成長、欧州のポッドキャスト市場は2022年から2027年にかけて年平均成長率28%で拡大するといったポジティブな統計がまとめられています。
■2024年以降のポッドキャスト業界にとって「大きな追い風とチャンス」
「新しいテクノロジー」として、ポッドキャスト広告領域のアドテクノロジーの進化が追い風の一つとしてあげられています。「サブスクリプション」を活用する番組も広がる可能性があり、収益の大部分にはならないにせよ、重要な収益の一つになりうるとしています。「ライセンス」の活用として、一部のプラットフォームにだけ独占配信として対価を得る方法も期待できるとしています。「インターナショナル」も追い風であり、米国以外の国でも大きなチャンスがあると指摘しています。「ビデオ」についても、音声だけのコンテンツであってもYouTubeへ投稿するのは有効としています。
確かにいろいろな考察の中で、2024年、ポッドキャスト市場は益々盛り上がることは間違いなさそうだと改めて思いました。
ではまた!