Market.us Scoopが世界のポッドキャスト広告市場予測を発表しました。今日はこのレポートを紹介します。
Market.us / Podcast Advertising Market to Surpass USD 43 Bn by 2032
■世界ポッドキャスト広告市場予測
世界のポッドキャスト広告市場は大幅な成長が見込まれており、2023年の127億ドルから、2032年には約430億ドル(日本円でおよそ6兆5,300億円)に達するとのこと。2023年から2032年までの年平均成長率(CAGR)は14.5%と予測されています。
またポッドキャスト広告の内訳をみると、広告種別では「ホストリード広告」が58.7%でトップ、広告目的では「ダイレクトレスポンス広告」が64.8%でトップ、カテゴリ別では「ニュースと政治」が26.2%でトップ、広告主別では、「金融関連」が15.8%でトップ、国別では「北米」が34.6%でトップとなっています。
■ポッドキャスト広告統計
ポッドキャスト広告に関するさまざまな統計のまとめです。
・ポッドキャスト広告に投資するブランドは2023年に対前年比35%増加予想。
・ポッドキャストリスナーの55%がポッドキャストで宣伝された商品を購入する。
・ポッドキャストのリスナーの75%がポッドキャストの広告に細心の注意を払う。
・ポッドキャストリスナーの69%が、従来のラジオやTV広告に比べてポッドキャスト広告に注目する。
・ポッドキャストリスナーの65%は世帯収入が約75,000ドルを超えている。
■新たなトレンド
ポッドキャスト広告の新しいトレンドとして以下が取り上げられています。
・動的広告挿入
動的広告挿入はポッドキャスト広告でも人気が高まっており、リスナーのデモグラフィックデータや好みに基づいてターゲットを絞った広告配信が可能になります。・プログラマティック広告
プログラマティック広告もポッドキャスト広告で一部プラットフォームで採用されており、広告在庫の自動売買、キャンペーンパフォーマンスの最適化、広告ターゲティング機能の強化が可能になります。・ブランデッドポッドキャスト
ブランドは、ユーザーとのエンゲージメント、ブランド認知度の向上などを目的として、独自のポッドキャストの作成にますます投資しています。・データ分析と測定
ポッドキャスト広告でも高度な分析および測定ツールの使用ニーズが高まっています。広告主は、キャンペーンの効果をより適切に評価するために、リスナーのリーチ、エンゲージメント、コンバージョンに関するより正確で包括的な洞察を求めています。
■ポッドキャスト広告のユースケース
活用事例が紹介されていますが、以下一部をピックアップしました。
・ダイレクトレスポンス広告
広告主は広告クリエイティブに固有のプロモーションコードやURLを含めて、コンバージョンへの直接的な影響を測定し、投資収益率を追跡できます。・インフルエンサーマーケティング
ブランドが人気のポッドキャスターやゲストとコラボレーションしてその影響力を活用し、熱心なリスナーに自社の製品やサービスを宣伝できます。・ブランドストーリーテリング
ポッドキャストでブランドはより没入感があり親密な方法でストーリーを伝えることができます。広告主は、ブランドの価値に合致したポッドキャストエピソードをスポンサードまたは制作し、ストーリーテリングを通じてリスナーを魅了することができます。・ネイティブ広告
番組内にブランドメッセージをシームレスに統合し、リスナーに邪魔にならないオーガニックな広告を提供できます。
■ポッドキャスト広告の課題
いいことばかりではなく、懸念事項や課題も取り上げられています。以下は一部をピックアップしたものです。
・測定とアトリビューション
ポッドキャスト広告の影響とアトリビューションを正確に測定することは、依然として課題です。標準化された指標と追跡機能がないため、広告主がキャンペーンの効果とROIを定量化することは困難です。・アドフラウドとビューアビリティー
他のインターネット広告同様、ポッドキャスト広告でもアドベリフィケーションの考え方を取り入れる必要がでています。・広告ブロッカー
広告をブロックする技術は、まだ他のインターネット広告と比べてポッドキャスト広告は問題になるほど普及はしていませんが、潜在的には課題になりえます。・広告の過多と邪魔さ
ポッドキャスト広告の数と配置については、リスニング体験を損なわずにバランスを取る必要があります。リスナーの疲労や離脱につながらない範囲で最適な広告を配信することが求められます。・信頼性の維持
ポッドキャスト広告への関心が高まるにつれ、広告とスポンサーコンテンツがポッドキャストのテーマと視聴者の期待に合致していることを保証することが、信頼性を維持するために不可欠になります。・AIの受容と倫理的懸念
AIは大きなメリットをもたらしますが、倫理的考慮事項と、コンテンツの信憑性およびリスナーの信頼に対する潜在的な影響については、慎重に検討する必要があるとしています。
ではまた!