「ポッドキャスト視聴者は若い男性」は思い込み?海外調査が明かす実態

音声広告企業NumberEightは、ポッドキャストリスナーの年代・性別に関する調査レポートを公開しました。「若者向け」「男性中心」といった思い込みが、広告主の判断を誤らせる可能性があると指摘しています。

ポッドキャストには根強い思い込みがある

ポッドキャストというメディアには、いくつかの根強いステレオタイプがあるといいます。「若いリスナー向けのもの」と見なされ、「圧倒的に男性が多い」と思われがちで、「典型的なポッドキャスト視聴者」の姿はどの市場でも同じだと想定されやすいとのことです。そして、番組が高年齢層向け・ニッチ・幅広い層向けに感じられる場合、広告主にとって適切な出稿先ではないと判断されがちだとしています。

同社の「Global Podcast Advertising Compass」の第2章では、こうした思い込みと実態を切り分けた結果、より複雑で有用な実像が見えてきたといいます。ポッドキャストのリスナーは市場・年代・性別によって均等に分布しているわけではなく、その違いはプランニング上重要な意味を持つとしています。

レポートは、ポッドキャストの視聴計画は、ディスプレイ広告やWebなど他メディアの消費傾向から導いた前提ではなく、「ポッドキャスト特有のベンチマーク」に基づくべきだとしています。番組が特定の層に強いかどうかを判断する際は、一般人口ではなくポッドキャスト視聴者全体と比較する必要があるとのことです。

ミレニアル世代が中心だが、それだけではない

調査対象となった5つの市場全体で、25〜34歳が最多の年代層となっており、ミレニアル世代が中心的なポッドキャスト視聴者であることが確認されたとしています。市場横断での年代構成は、ミレニアル世代(30〜45歳)が41%、X世代(46〜61歳)が24%、Z世代(14〜29歳)が14%、ブーマー世代以上(62歳超)が12%、アルファ世代(13歳未満)が9%となっています。

フランスや英国では35〜44歳の層も大きな割合を占めており、より上の年代のミレニアル世代やX世代の利用が進んでいることがうかがえるとのことです。一方、オーストラリアと英国では18歳未満・18〜24歳といった若年層の関与が高い点も特徴的だとしています。

年代別のカテゴリー傾向としては、10代はスポーツ、18〜34歳はコメディ、35〜44歳は社会・文化、45〜54歳は教育、55〜64歳は犯罪実録もの、65歳以上はニュースというように、それぞれ異なるジャンルへの関心が強い傾向が見られたとのことです。

シニア層は「例外」ではない

レポートが示す重要な事実の一つが、高齢層に関するものです。米国は65歳以上のリスナーが顕著に多い代表的な市場であり、より成熟した普及曲線と高齢層への広い浸透を示しているといいます。55〜65歳以上のリスナー層は、季節ごとの買い物、旅行、レシピ、食料品、ウェルネスといったテーマに強い関心を示しており、購買意欲の高い層であるとしています。

一方で、こうした高齢層は消費データ上の存在感の強さにもかかわらず、実際の広告出稿では十分にターゲティングされていない状態にあるとも指摘しています。

Z世代も市場によって傾向が異なる

若年層についても一様ではなく、オーストラリアと英国は市場横断の平均よりも若年層の参加度が高いとのことです。フランスの18〜24歳はスポーツへの関心が集中しており、英国の18〜24歳はコメディへの傾向が強いとしています。オーストラリアの18〜24歳はコメディを筆頭に、社会・文化、スポーツが続く傾向が見られたといいます。

性別バランスは比較的均衡している

「ポッドキャストは男性中心」という思い込みについても、レポートは実態が異なることを示しています。市場横断でのベースラインは女性52%、男性48%となっており、全体としてはおおむね均衡した性別構成だとしています。フランスと英国は市場平均より女性比率が高く、米国・ドイツ・オーストラリアはほぼ平均的な水準だとのことです。

ジャンル別では、犯罪実録ものは一貫して女性に強く支持される一方、ニュースとスポーツは男性に支持される傾向があり、コメディや社会・文化はより幅広い層にバランスよく支持されているとしています。英国では女性リスナーのコメディへの関心が比較対象の中で特に高く、フランスの女性は犯罪実録ものへの関心が最も強い傾向が見られたといいます。

誤ったベンチマークが判断を誤らせる

レポートが導く最も重要な結論は、広告主が誤ったベースラインを用いることで、判断を誤りかねないという点です。ポッドキャスト自体がミレニアル世代に偏る傾向があるなら、ミレニアル層にリーチできること自体は差別化要因にならないといいます。同様に、ある市場のポッドキャスト視聴者がもともと女性に偏っているなら、女性に強い番組であっても、その市場のベースラインと比較しなければ、その特異性は分かりません。

このため、「ポッドキャスト特有のベンチマーク」を用いることが重要だとし、広告主はより的確な問いを立てられるようになるとしています。

広告主が持ち帰るべき視点

レポートの結論として、ポッドキャストには単一の典型的な視聴者像があるわけではなく、思われている以上に幅広く、かつ偏りのあるメディアだとしています。ミレニアル世代が依然として中心である一方、Z世代や高齢層もステレオタイプ以上に重要であり、性別はおおむね均衡しているものの国・カテゴリーによって分布は異なるとのことです。最も効果的なターゲティングの判断は、一般人口ではなく「ポッドキャストという生態系そのもの」と比較することから生まれるとしています。

参照元:https://www.numbereight.ai/newsroom-articles/who-really-listens-to-podcasts-why-audience-assumptions-can-mislead-advertisers