三菱電機株式会社は、複雑な音の混合から目的の音だけを単一のAIモデルで分離・抽出する「Task-Aware Unified Source Separation(TUSS)」技術を開発しました。製造現場や公共空間などでフィジカルAIシステムの状況認識精度を高める技術です。
音源分離を単一モデルで実現
TUSS技術は、米マサチューセッツ州ケンブリッジのMitsubishi Electric Research Laboratories, Inc.と共同で開発されたものです。プロンプトによって分離・抽出したい音の種類や数を指定することで、単一のAIモデルが音声分離、音声強調、環境音抽出など多様な音源分離タスクに対応できます。
従来は対象となる音や用途ごとに個別のモデルを開発する必要がありましたが、これらのタスクを一つのモデルに統合することで、さまざまな音響環境や運用要件に柔軟に適応できるようになります。抽出した音を異常検知、音声認識、音声操作、業務記録などのAIアプリケーションと連携させることで、システムがより正確に複雑な状況を理解できるようになるとしています。
音声制御や異常検知など幅広い用途を想定
さまざまな環境において、音声による機器操作や異常検知、現場の状況把握などのタスクは音に依存していますが、人や機械などの対象音が他の音にマスキングされると、これらのタスクが困難になる課題がありました。TUSS技術はこうした課題に対応するものです。
CEATEC 2026でライブデモを実施
本技術は、2026年10月13日から16日まで幕張メッセで開催される「CEATEC 2026」に、「Ear of Physical AI: Distinguishing Diverse Sounds, from Machine Anomalies to Human Voices」と題して出展される予定です。会場で収録した機械音、楽器音、複数話者の音声などが混ざった音声を実際に処理し、プロンプトで指定した個別の音源を分離・抽出して音声認識や異常音診断に活用するライブデモが行われます。