動画配信大手Netflixが、従業員の約6%にあたる1,000人近くの人員削減を行う方針を明らかにしました。ここ数年で最大規模の削減です。その直後には、動画ポッドキャストにも取り組む同社の新たなコンテンツ責任者が発表されました。業績や競争環境とあわせて整理します。
Netflixが約1,000人のレイオフを発表
AP通信の報道によると、Netflixは従業員の約6%にあたる、1,000人近くのポジションを削減する計画です。同社はこの人員削減を、より広範な「組織変更」の一環として位置づけています。
今回の削減は、共同CEOであるグレッグ・ピーターズ(Greg Peters)氏とテッド・サランドス(Ted Sarandos)氏が、水曜日に従業員向けのメモで発表しました。影響が最も大きいのは、プロダクト、テクノロジー、法務、人事の各チームとされています。
今回の削減は、カリフォルニア州に本社を置くNetflixにとって、ここ数年で最大規模の人員削減です。なお、このニュースはウォール・ストリート・ジャーナルが最初に報じました。
共同CEOが社内メモで示した考え方
AP通信が入手した社内メモの中で、両氏は今回のような決定は決して容易なものではなく、軽く考えているわけではないという趣旨を述べています。
そのうえで、事業そのものは好調であると強調しました。一方で、将来の成長に向けた投資や、サービス改善につながる影響の大きい分野への投資を進めるにあたり、人材とリソースをどこに優先的に配分するかについて、規律ある判断が必要だと説明しています。
Netflixは、このメモ以外に追加のコメントを控えています。
業績は成長、それでも第3四半期の見通しは市場予想を下回る
AP通信によると、会員登録の増加と料金の値上げにより、Netflixの利益は今年に入って伸びています。第2四半期の実績は次のとおりです。
- 利益:34億ドル(前年同期比9%増)
- 売上高:125億6,000万ドル(前年同期比13%増)
ただし、Netflixが示していた第3四半期の業績見通しは、ウォール街の予想を下回る水準でした。同社は第3四半期決算を、記事公開の翌週に発表する予定です。
混み合う動画配信市場とNetflixの立ち位置
動画配信市場全体では、競争がますます激しくなっています。配信ガイドサービスJustWatchの最新データでは、Netflixは市場の19%を占め、引き続き有力なプレーヤーです。しかし、AmazonのPrime VideoやDisney+もすぐ後ろに迫っています。
また、パラマウントによる810億ドル規模のワーナー・ブラザース・ディスカバリー買収が、記事公開の前週に完了しました。これによりHBO MaxとParamount+は、いずれもSkydanceの傘下に入りました。この新たなハリウッドの巨大企業は、時間をかけて配信サービスを一つに統合していく計画です。
なお、Netflixも昨年末にワーナーのスタジオおよび配信事業を買収する契約をいったん結んでいましたが、今年2月にその提案から手を引いています。
ポッドキャスト観点:新コンテンツ責任者と動画ポッドキャスト
人員削減の発表から間もない10月16日、ポッドキャスト業界メディアのPodcast News Dailyは、Netflixのコンテンツ部門トップの交代を報じました。同メディアは、Netflixが動画ポッドキャストに乗り出す中での人事として、この交代を伝えています。
ピーター・ライス氏が最高コンテンツ責任者に
新たに最高コンテンツ責任者(CCO)に就任するのは、ディズニーとフォックスでテレビ部門の幹部を務めたピーター・ライス(Peter Rice)氏です。就任は10月26日で、約10年にわたりNetflixに在籍したベラ・バジャリア(Bela Bajaria)氏の後任となります。
ライス氏は、脚本作品と脚本のない番組、映画、ライブイベントなど、海外を含む同社のグローバルなコンテンツ戦略を統括します。同氏は直近までウォルト・ディズニー・テレビジョンの会長などを務め、ABC、FX、Hulu、ナショナルジオグラフィック、ディズニー・チャンネルなどを監督していました。それ以前には21世紀フォックスの社長やフォックス・ネットワークス・グループのCEOを務めています。
サランドス氏は、ライス氏をエンターテインメント業界で最も有能な大規模組織の運営者の一人と評価しています。また、バジャリア氏については、脚本のない番組の大幅な拡大や、ライブイベントとスポーツの立ち上げを主導した点を評価しました。
動画ポッドキャスト戦略は今後どうなるか
Podcast News Dailyは、Huluを含む大規模なテレビ事業を率いたライス氏の経験が、動画ポッドキャストを他の番組とどう位置づけるかを判断する上で特に関係してくる可能性があると指摘しています。ただし、今回の発表では、ライス氏のもとでポッドキャストを拡大するのか、現在の戦略の変更を検討しているのかは示されていません。
同メディアによると、Netflixによる動画ポッドキャストの導入は、配信サービスがクリエイター主導の番組をどう見るかという、より大きな変化を反映したものです。YouTube、Disney+、Huluといった競合も、すでに固定ファンを持ち、定期的にエピソードを届けられるフォーマットへの取り組みを強めています。
配信サービス側にとっての魅力は、知名度のあるパーソナリティと既存のファンコミュニティを自社サービスに呼び込めることです。一方、ポッドキャスト制作会社にとっては、配信先の拡大、認知度の向上、大手エンターテインメント企業との新たなビジネス関係といったメリットが考えられるとしています。
Netflixの従業員規模
規制当局への提出書類によると、2025年末時点でNetflixは世界全体で約1万6,000人のフルタイム従業員を抱えていました。
まとめ
Netflixは、従業員の約6%にあたる1,000人近くを削減する方針を発表しました。共同CEOは事業は好調としながらも、将来の成長とサービス改善に向けて人材とリソースの配分を見直す必要性を示しています。その直後には、動画ポッドキャストにも取り組む中で、ピーター・ライス氏を新たな最高コンテンツ責任者に迎える人事も発表されました。ライス氏のもとで動画ポッドキャストがどう位置づけられるかは、現時点では明らかになっていません。
参照元:
https://apnews.com/article/netflix-layoffs-2290c8472a155adb9c4b85fdc885bc7e
https://www.podcastnewsdaily.com/news/netflix-names-new-content-chief-as-video-podcasts-enter-the-picture/article_2b806491-74c3-4335-bba9-97e9fa6f81ea.html