CoHostが「ポッドキャストエージェンシー」の現状レポートを発表しました。ここでいうエージェンシーとは、ポッドキャスト制作やポッドキャストマーケティングを代行する事業者のことです。日本でいうとポッドキャスト製作会社、ポッドキャスト広告代理店といったところでしょうか。今回はこのレポートの中から興味深いと思った項目をいくつか紹介していきます。
CoHost / State of Podcast Agencies Report
ポッドキャストエージェンシーが抱える最大の問題点は、リソース不足
45%のポッドキャストエージェンシーが人、時間、予算などのリソース不足を挙げています。
また78%以上の代理店の従業員は10人未満とのこと。ポッドキャスト関連会社が人材不足に陥っており、時間を節約して効率を高めるためのソリューションが必要であることを示しているといいます。
リソースが限られていると、制作プロセスにボトルネックが生じ、納品遅延、コンテンツ品質の低下などにつながってしまうとレポートで指摘されています。
ポッドキャストエージェンシーにとって、1つのツールでは十分ではない
ポッドキャストエージェンシーは制作プロセスを通じて平均7つのツールを使用しているとのこと。平均して2つのホスティングプラットフォーム、2つの録音ソフトウェア、3つの追加ポッドキャストツールを使用しているそうです。現時点ではエージェンシーにとって頼りになるオールインワンソリューションが存在しないことは明らかとのこと。
ポッドキャストエージェンシーはダウンロード数に固執する
86%のポッドキャストエージェンシーがダウンロード数をクライアントの成功を測るために使用する最も一般的な指標としているとのこと。しかし、より意味のある指標を報告するのは難しく、時間も費用もかかるため、ダウンロード数は依然として最も使われる指標になっているそうです。しかし43%は、ポッドキャストからの見込み客の数と収益で成功を測定しているとのこと。
リスナー増加とROIの測定がクライアントの成功を阻む足かせになっている
ポッドキャストエージェンシーは、クライアントの番組の成長を促進するためのより良いツールと戦術、トラッキングなどの分析ツールを必要としているとのこと。
ポッドキャストエージェンシーの顧客獲得は口コミや紹介が一般的
72%のポッドキャストエージェンシーにとって、新規顧客を獲得する最も一般的な方法は口コミとのこと。次いで59%が紹介となっています。意外なことに、サーチエンジンやソーシャルメディアで新規顧客を獲得すると回答したのは少数派でした。
ポッドキャストにおけるROI革命が求められている
ポッドキャストエージェンシーの多くが、今後5年間での予測されるポッドキャスト業界の重要なトレンドは「ROIを測定するためのより良いポッドキャストデータ」と回答したそうです。ROIの測定は、エージェンシーにとって大きな課題であるため、この解決が期待されているのは当たり前ですね。また28%がビデオポッドキャストを挙げています。
今回のレポートで一番興味深かったのは、ポッドキャストエージェンシーにとっての課題として「クライアントの予算が最大の問題である」と答えた人はわずか2%だったということです。顧客の予算はある、しかし色々忙しくて大変!というのがこのポッドキャストエージェンシーの世界ということのようです。
ではまた!