IABが発表した2023年米国ポッドキャスト広告収益に関するレポート、先日すでにAudiostart Newsで紹介していますが、今回はもう少し範囲を広げて紹介できればと思います。
IAB / U.S. Podcast Advertising Revenue Study 2023
Signal Hill Insights / Branding Investment in Podcasting Doubles, Magnifying Focus on Brand Lift
■米国ポッドキャスト広告収益予想
ポッドキャスト広告は、2022年に26%増の18億ドルと高い成長を記録し、2025年には2倍以上の40億ドルに達すると予想しています。ポッドキャスト広告は、インターネット広告収入全体(11%増)の2倍以上の速さで成長し、ソーシャルメディア広告(4%増)、検索連動型広告(8%増)、ディスプレイ広告(12%増)、動画広告(19%増)、そしてデジタルオーディオ広告全体(21%増)よりも高い成長率となっています。
■米国ポッドキャスト広告のターゲティング種類
位置情報を使うジオターゲティング、番組ジャンルでのターゲティング、番組やエピソードタイトルを元に文脈に沿ったコンテクスチュアルターゲティングが2022年までの主流となっています。
一方2023年には、まだ使っていないがこれから利用を計画するとして、デモグラフィックデータ活用と、オーディエンスデータ活用が増加する見通しとなっています。
■米国ポッドキャスト広告費の評価手法
トップは、広告配信インプレッションカウント。ついでピクセルベースのアトリビューション、クーポンコード/バニティーURLアトリビューション、売上/購買リフト、ブランドリフト調査、オーディエンス調査、店舗内トラフィックのアトリビューションと続きました。さまざまな指標が組み合わされていることが伺える結果になっています。
■米国ポッドキャスト広告クリエイティブの長さ
2022年、ポッドキャスト広告の50%が16秒から30秒の長さ。次いで、35%が31秒〜60秒の長さとなっています。2021年と2022年を比較すると短いものが減り、長いものが増える傾向がみられます。
■米国ポッドキャスト広告の挿入位置
2022年、トップの挿入位置はミッドロールの68%で、次いでプレロール31%、ポストロール4%と続きました。
2021年から2023年予想にかけては、この比率に大きな変動は見られないようです。
■米国のポッドキャスト広告在庫
米国のポッドキャスト広告在庫は、番組特化型が72%と主流で、オーディエンス型は28%にとどまっています。また2023年にはさらに番組特化型が75%に増加し、オーディエンス型が25%に減少する見通しとなっています。
■米国ポッドキャスト広告収益(キャンペーンタイプ別)
前回も紹介した項目ですが、ポッドキャスト広告において、ダイレクトレスポンスのキャンペーンは減少傾向で、ブランディング目的のキャンペーンが増加傾向で、過半数を超えています。
このデータをSignal Hill Insightsがさらに分析したところ、ブランディング目的のキャンペーンに使われた広告費は、2021年に6億9,540万ドル(およそ1,053億円)から、2023年に13億8,900万ドル(およそ2,103億円)へとほぼ倍増しています。ポッドキャストの広告主が求めているのはブランド認知度、ブランド検討度、ブランド嗜好といったブランディングに関するKPIの向上だと言います。
以前紹介したSounds Profitable発表の「The Podcast Opportunity 2023」レポートでも、ポッドキャスト広告主の購入動機は、ブランド認知向上がトップだったことと一致する結果となっています。
ポッドキャスト広告のメッセージを届ける力、高い傾聴姿勢、完全聴取率の高さなどの特性を考えるとブランディングに効果的であると考える広告主が多いのは頷ける結果だと思います。
ではまた!