独ハーゲン通信大学がポッドキャストの広告戦略に関するレポートを発表、番組と広告のテーマの適合性が広告効果を高める

ドイツの公立大学「ハーゲン通信大学」がポッドキャストの広告戦略に関するレポートを発表しました。今回はこのレポートを一部紹介したいと思います。

FernUniversität in Hagen / Was macht Podcast-Werbung erfolgreich?

ドイツのポッドキャスト利用状況・広告市場
まずドイツのポッドキャスト聴取率。43%の人が少なくとも一度はポッドキャストを聴いているそうです。日本に比べて高い数値です。
ポッドキャスト広告についても、ドイツのポッドキャスト番組の制作会社は2022年だけで3,900万ユーロ(日本円で60億円以上)の広告収入を得ており、こちらも日本より大きな市場となっています。
ハーゲン通信大学のカールステン・D・シュルツ博士は「企業の観点から見ると、ポッドキャスト広告はリスナーに製品やサービスの購入を促す宣伝の場合に特に役立ちます。」とコメントしています。

音声広告の調査結果
全体として、ポッドキャスト広告はポジティブな効果を示す調査結果が得られたとのこと。特に、広告が娯楽的で、情報量が多く、信頼性があり、ターゲットグループに関連し、よく練られている場合が効果的だったそうです。
また広告効果については、ポッドキャスト番組のテーマと広告のテーマが一致しているかどうかが重要で、この適合性が広告の効果に大きな差を生み出すことがわかったそうです。当たり前の話ではありますが、672人のアンケートを通じて明らかにそういう傾向がみられたとのこと。あるトゥルークライム系のポッドキャスト番組では、オーディオブックのストリーミングサービスの広告は効果があったが、税務ソフトの広告は効果が弱かったそうです。また投資動向やお金の扱い方を語るファイナンス系のポッドキャスト番組では税務ソフトの広告が効果があったそうです。

ブランド力は決定的なものではない
ポッドキャストと広告のテーマが一致していることが重要であることがわかった一方で、ポッドキャストや広告主の持つブランド力が決定的な要素ではないこともわかったそうです。広告効果は、ポッドキャストのブランド力や広告主のブランド力には依存しておらず、ポッドキャストと広告されたサービスが持つもともと人気や認知度などのブランド力よりも、ポッドキャストと広告のテーマが適合していることの方が重要で広告効果も高くなるというのです。
有名なポッドキャスト番組であってもテーマに適合しない広告主では広告効果は弱く、無名なポッドキャスト番組でもテーマに適合した広告主は広告効果が高く、また普通のポッドキャスト番組でも、テーマに適合しない有名な広告主は広告効果が弱く、テーマに適合する広告主は無名でも広告効果が高くなるというわけです。なるほどですよね。

今回はドイツでのポッドキャスト広告の検証でしたが、この結果は日本でも同じことが言えそうです。広告主は有名だからという理由で広告を出すポッドキャスト番組を選ぶのではなく、広告主の訴求するサービスにあった文脈・テーマのポッドキャスト番組を選定することがなにより重要ということですね。
ではまた!