AIを活用した音声サービス開発の「Wondercraft」が300万ドル（日本円でおよそ4.4億円）の資金を調達したことを発表しました。今日はこのニュースを紹介します。
Wondercraft / Wondercraft raises $3m to build AI-powered Audio Studio
Wondercraftは、Acastの元COOでSpotifyとiHeartMediaの幹部でもあったオスカー・セランダー氏と、パランティアのエンジニアであるディミトリス・ニコラウ氏とユーセフ・リスク氏などによりロンドンで昨年設立されたAIオーディオスタートアップです。
ポッドキャスター向けに、音声やテキストを入力することで簡単にスタジオ品質のオーディオ作品をあらゆる言語で作成できるサービスを展開しています。2023年にベータ版を開始して以来、すでに30,000人を超えるクリエイター、ライター、起業家、広告主、ブランドに採用されているそうです。
今回の資金調達は、初期段階のメディアスタートアップを専門とするWill Venturesが主導し、Y Combinator、ElevenLabs、スティーブン・バートレット氏、その他のエンジェル投資家が出資をしています。調達資金は現在提供中のプラットフォームの機能強化、ユーザーが利用できる機能を拡張するために使用されるとのこと。
Wondercraft共同創設者、ディミトリス・ニコラウ氏のコメント。
「Canvaは誰もがデザイナーになれるようにしました。私たちは誰もがオーディオクリエイターになれるようにしたいと考えています。今日、オーディオは人々のメディア習慣に不可欠な要素となっていますが、多くの才能あるストーリーテラーは、限られたツール、制作リソース、翻訳サービスのせいで足を引っ張られています。パートナーのElevenLabsで生成された音声合成技術の驚くべき進歩は、オーディオ専用のクリエイティブプラットフォームというビジョンを追求するきっかけとなりました。」
Wondercraft共同創設者、オスカー・セランダー氏のコメント。
「Wondercraft により、私たちはプロオーディオをより身近なものにしています。これは、増え続ける独立系クリエイターだけでなく、コンテンツ制作の規模を拡大しようとしている大手メディア、パブリッシャー、より良いツールを探している広告会社にとっても最適なサービスです。また、初めて、翻訳とプロによる吹き替えを手頃な価格で効率的に行えるようになり、コンテンツ制作者が最終的に新しい言語に拡張できるようになります。新しいファンベースと収益を構築します。私たちは、AIを思慮深く倫理的に活用して、確立された声と真新しい声の両方が国境を越えて聞こえるようにすることに専念しています。」
今回出資した「Diary of A CEO」の司会者、スティーブン・バートレット氏のコメント。
「Wondercraft は、新しい言語で新しい世界中の視聴者にリーチできるツールを提供してくれました。彼らの製品はクリエイターやパブリッシャーにとってのオーディオ制作の未来であると信じているので、今回ファイナンスに参加できることにとても興奮しています。」
ではまた。
