米Forbesは2026年7月30日、年間で最も稼いだポッドキャスターのランキングを発表しました。首位はJoe Rogan(ジョー・ローガン)で推定8200万ドル。NetflixなどのストリーミングサービスがPodcast市場へ本格参入し、演者への報酬額はかつてない規模へと拡大しています。

Forbesが年間高収入ポッドキャスターを発表
米経済誌Forbesは2026年7月30日、記者のMatt Craig氏がまとめた「2026年版・最も稼ぐポッドキャスター」のランキングを公開しました。集計期間は2025年6月から2026年6月までで、最低保証額、レベニューシェア、プラットフォーム手数料、ライブイベントなどを通じて演者本人または関連法人が得た総額を推計したものです。金額は税引き前で、代理人や弁護士などへの報酬は差し引かれていません。
Forbesは、ストリーミングサービスが番組の市場へ参入したことで、ポッドキャスター・テレビ司会者・インターネットクリエイターの境界がこれまでになく曖昧になり、報酬もかつてなく大きくなっていると指摘しています。
ストリーミング参入が押し上げる報酬
ポッドキャスターの強みは、映画やテレビの制作者とは異なり、番組の基となるIP(知的財産)を演者自身が保有し続ける点にあります。ネットワークやプラットフォームは、一定期間の配信・広告販売パートナーとしてライセンス料を支払う形になります。
この構造もあり、Netflix、Hulu、Tubiといったプレミアム系の配信大手は、これまで業界の成長を静観し、YouTubeが世界最大のポッドキャスト配信基盤へと育つのを許してきました。しかし2025年以降、YouTubeの視聴時間での優位に切り込もうと、配信大手が派手に参入し始めています。
業界関係者によると、Netflixが当初提示した100万〜200万ドルの入札は軒並み拒否されましたが、その後は年1000万ドル以上(1〜2年の試験契約)を提示し、Spotifyやi Heart、Barstool Sportsから看板番組を引き抜いたとされます。英国のポッドキャストネットワークGoalhangerは、ワールドカップ期間中に日次トーク番組『The Rest Is Football』の40エピソードを配信する契約で、Netflixから1900万ドルを得たと報じられています。
2026年の上位20組
Forbesが公表した上位20組は以下の通りです。
- Joe Rogan『The Joe Rogan Experience』(Spotify):8200万ドル
- John Coogan、Jordi Hays『TBPN』(OpenAI):7000万ドル
- Steven Bartlett『The Diary of a CEO』(独立系):4500万ドル
- Ashley Flowers『Crime Junkie』(Red Seat Ventures/Tubi):4200万ドル
- Will Arnett、Jason Bateman、Sean Hayes『SmartLess』(SiriusXM):3700万ドル
- Mel Robbins『The Mel Robbins Podcast』(SiriusXM):3500万ドル
- Jason・Travis Kelce『New Heights』(Amazon Wondery):3500万ドル
- Alex Cooper『Call Her Daddy』(SiriusXM):3200万ドル
- Jon Favreau、Jon Lovett、Dan Pfeiffer、Tommy Vietor『Pod Save America』(Audioboom):2800万ドル
- Charlamagne Tha God『The Breakfast Club』(iHeart/Netflix):2700万ドル
- Dax Shepard『Armchair Expert』(Amazon Wondery):2500万ドル
- Amy Poehler『Good Hang』(Spotify):2400万ドル
- Bill Simmons『The Bill Simmons Podcast』(Spotify/Netflix):2200万ドル
- Jay Shetty『On Purpose』(Spotify/Netflix):2100万ドル
- Joe Budden『The Joe Budden Podcast』(独立系):2000万ドル
- Tucker Carlson『The Tucker Carlson Show』(Red Seat Ventures):2000万ドル
- Scott Galloway『The Prof G Pod』(Vox Media):1900万ドル
- Andrew Huberman『The Huberman Lab Project』(独立系):1800万ドル
- Dan Katz、Eric Sollenberger『Pardon My Take』(Barstool Sports/Netflix):1800万ドル
- Hannah Berner、Paige DeSorbo『Giggly Squad』(Acast):1800万ドル
首位ローガンと超大型契約の実像
首位のJoe Roganは、深い信頼と巨大な規模を両立させ、月およそ15本のエピソードを公開し、あるデータ事業者によれば8000万を超えるダウンロードと視聴を集めています。2024年にはSpotifyと、最大2億5000万ドルに達しうる3年契約を結びました。
多くのポッドキャスターにとって、SpotifyやSiriusXM、iHeartといった大手ネットワークからの1億ドル級契約は依然として究極の到達点です。契約は保証された前払い金として支払われ、それを上回る利益にはレベニューシェアが適用されます。ネットワーク間の競争が、一部のトップ演者への年3000万ドル超の保証額を押し上げているとForbesは分析しています。
IPを軸にしたネットワーク化の動き
演者側は大型契約とIPの支配力を活かし、自身の傘下に複数番組からなるミニネットワークを構築しています。Alex CooperのUnwell(SiriusXM)や、Charlamagne Tha GodのThe Black Effect Podcast Network(iHeart)が例です。一方で、こうした演者主導のネットワークが新たなヒットを生むのは難しく、制作費や間接費を自己負担するため、Crookedの人員削減やUnwellの高い人材流動といった動きも見られます。
企業買収の面では、OpenAIが2026年4月にテック系番組『TBPN』を現金と株式で推定1億5000万ドルにて取得し、司会のJohn CooganとJordi Haysには約7000万ドルが渡ったとForbesは推計しています。Bill Simmonsは2020年にThe RingerをSpotifyへ推定2億ドルで売却しています。


