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Westwood One調査「デジタルオーディオ広告は、単語数を減らすことで広告効果が向上する」

Cumulus MediaのWestwood OneとColourtextが、デジタルオーディオ広告のクリエイティブの単語数を減らすことで広告効果を向上させるという興味深いレポートを発表しました。今日はこのレポートを紹介したいと思います。

Westwood One / Less Is More: Reduce Audio Ad Copy Word Count And Improve Effectiveness, According To Colourtext’s Jason Brownlee

この調査は、イギリスで2019年から2021年の間に配信された1万件以上のデジタルオーディオ広告キャンペーン(22の広告主カテゴリ、615のブランド)の70%をテキストに書き起こして分析対象とした調査結果となっています。

■デジタルオーディオ広告1分あたりの平均単語数


全ブランド平均では1分あたりの広告クリエイティブに含まれる単語数は平均169となっています。広告主のジャンルによって、金融が180、食品が155と若干の幅があることがわかります。

■平均単語数とキャンペーンの効果


広告クリエイティブで使われる単語数が少ないほど、より目立ち効果的になることが明らかとなりました。1分あたり10単語が削除されるごとに、クリエイティブスタンドアウト指標が1%向上するとのこと。単語数が増えれば、スタンドアウト指標は低下していく傾向が見られます。

ここで示されるクリエイティブスタンドアウトは、リスナーが「この広告は際立っている」という観点で1から10段階で評価し、8以上と評価された場合にカウントされる指標です。

■クリエイティブスタンドアウト指標とWEB応答率


クリエイティブスタンドアウトが1%上昇するとWEBでの応答率は0.25%増加することが明らかとなりました。

■単語数分析結果


1分あたりの単語数を軽度 (147語)、中程度 (171語)、重度 (195語)で分類すると、単語数が多いキャンペーンでは、利用規約や免責事項にふれる可能性が高くなる傾向がみられたそうです。

■単語数が多い広告のパフォーマンスとWEB応答率


1分あたり147語の広告と比較して、195語を超える広告では、クリエイティブスタンドアウトの平均スコアが39.6%から32.9%に低下し、結果WEB応答率が1.8%から1.3%に低下しています。

具体的には、60秒の広告スクリプトから48語を削除すると、クリエイティブスタンドアウトの平均スコアが 20%増加し、WEB応答率が38%増加するとのこと。

逆に30秒の広告に24単語を追加しただけで、リーチが3,300万のキャンペーンでは、WEB訪問者が 160,000人減少すると予想されるとのこと。これは広告レスポンスの27%減に相当し、広告費と収益機会の損失となる可能性があると指摘しています。

伝えるメッセージを増やしたいといって無理やり単語を詰め込んでしまうと、むしろ効果が減ってしまうことはマーケティング担当者は理解しておく必要があります。

■メッセージ数とメッセージ想起率


4つのメッセージを含む広告のメッセージ想起率は、メッセージ1つだけの広告に比べて、24%〜43%にすぎないことがわかりました。広告が伝えようとするメッセージが増えるほど、単一のメッセージが伝えられる可能性は低くなる傾向は明らかと言えます。

■アドバイス

レポートのまとめとして、デジタルオーディオ広告のクリエイティブにおいて、広告枠をすべて言葉や音楽で埋める必要はなく、沈黙も要素のひとつであると考えるべきとしています。
また1つのクリエイティブに複数のメッセージを入れると想起率が低下するため、1つのメッセージを適切に伝えることにフォーカスしたほうが効果的としています。

日本語の広告において、今回のレポートの単語数という概念は全く同じという結果になるとは言えないかもしれませんが、傾向として無駄な言葉は省きシンプルにひとつの訴求ポイントをメッセージとして伝えることが効果的だと考えられます。
ではまた!

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