Sounds Profitableが米国成人5,473人を対象とした年次調査「The Podcast Landscape 2026」の第1弾を公開しました。リーチは横ばいながら、動画視聴の拡大、Netflixの台頭、スマートTV利用の増加など消費環境の変化が明らかになっています。
調査の概要
「The Podcast Landscape」は、Sounds Profitableが毎年実施している米国人のポッドキャスト消費に関する調査で、Signal Hill Insightsと共同で行われています。2026年版は2026年8月に18歳以上の米国成人5,473人を対象に実施され、米国国勢調査の構成比に基づいてウェイト付けされています。前年比較には、同じ手法で実施された2025年調査(n=5,034)が用いられています。
今回の「Part One」は基本的な利用状況(コア指標)を扱うレポートで、発見、広告、コンテンツ、AIについては別のレポートで取り上げられるとしています。
リーチは2024年からほぼ横ばい
「ポッドキャスト」という言葉を知っている米国成人は93%でした(2025年は96%)。ポッドキャストを利用したことがある人は74%、過去1か月以内に利用した人は55%、過去1週間以内に利用した人は39%です。
- 利用経験あり:74%(2024年)→75%(2025年)→74%(2026年)
- 月1回以上:53%→54%→55%
- 週1回以上:37%→38%→39%
一方で、ポッドキャストに対するイメージは変化しています。「音声のみ」と考える人は21%から17%に減少し、「音声のみの場合も動画の場合もある」と考える人は25%から29%に増えました。
動画ポッドキャストの視聴が拡大
ポッドキャスト利用経験者のうち、過去1週間に動画ポッドキャストを視聴した人は44%で、前年の40%から増加しました。「動画でポッドキャストを見たことがない」人は14%から10%に減っています。
過去1週間に動画ポッドキャストを視聴した人の間では、ポッドキャスト時間のおよそ半分が動画で、その割合は前年からほぼ横ばいでした。ポッドキャスト時間に占める動画の割合の分布は以下のとおりです。
- 76〜100%:32%(2025年)→29%(2026年)
- 51〜75%:20%→21%
- 25〜50%:27%→27%
- 0〜24%:22%→24%
なお、週1回以上の利用者のうち、過去1週間に動画ポッドキャストを視聴した層の割合は72%から77%に上昇しています。
典型的な利用時間は週4時間で変わらず
週1回以上の利用者の1週間あたりの利用時間は、中央値が4時間で前年と変わりませんでした。一方、平均は6.3時間から5.7時間に減少しています。
平均が下がった主な要因は、週16時間以上利用する人の割合が9%から6%に減ったことです。16時間未満の人の平均は4.7時間から4.6時間とほぼ変わっていません。また、この減少は利用歴の長さを問わずすべての層で見られ、新規利用者の流入では説明できないとしています。
過去1週間に動画を視聴しなかった層の平均は4.8時間で前年と同じでしたが、動画を視聴した層は6.9時間から5.9時間に減少しました。レポートは、非常に長い利用時間はバックグラウンドで音声を流す行動によるもので、視聴は画面に向き合う活動であるため、動画やテレビへの移行が進むにつれて極端な利用時間が少なくなっていると説明しています。なお、利用時間は自己申告であり、聞き流しと画面での視聴の推定方法の違いが影響している可能性も指摘されています。
利用開始1年未満の新規利用者は34%
ポッドキャスト利用経験者のうち、利用を始めて1年未満の人は34%で、2025年の28%から増加しました。このうち、利用開始から30日未満の人は8%から11%に増えています。
Netflixが3番目に多いプラットフォームに
過去12か月にポッドキャストの利用に使ったサービス(複数回答、2026年の新設問)では、YouTubeが63%、Spotifyが33%で、これにNetflixが21%で続きました。以下、YouTube Music(17%)、Apple Podcasts(15%)、Amazon Music(14%)の順です。YouTubeとYouTube Musicを重複なく合計すると68%になります。Netflixは2026年にポッドキャストを導入しており、今回がこのカテゴリーでの初年度です。
最もよく使うプラットフォームでは、YouTubeが40%で前年と同水準、Spotifyが18%から17%、Apple Podcastsが11%から8%となり、Netflixは5%でした。Apple Podcastsなどのポッドキャスト専用アプリを最もよく使う人は、19%から15%に減少しています。ただし、2026年の選択肢にはNetflix、Tubi、Apple TV、HBO Maxが追加されており、その分ほかの選択肢の数値がわずかに下がる影響があるとしています。
また、利用経験者の65%がお気に入りの番組は「たいてい同じプラットフォームで利用する」と回答しており、多くの利用者が1つのプラットフォームを使い続けている状況も示されました。
スマートTVだけがシェアを伸ばす
最もよく使うデバイスは引き続きスマートフォンで57%でした。一方、スマートTVは8%(2024年)、9%(2025年)、12%(2026年)と、唯一シェアを伸ばしています。デスクトップまたはノートPCは同期間に16%から13%に低下しました。スマートTVでポッドキャストに使うアプリではYouTubeが71%と大きくリードし、Netflixは10%から12%に上昇しています。一方、Spotifyは7%から4%に低下しました。
ほかの人と一緒に楽しむ「共同消費」も増加
少なくとも時々はほかの人と一緒にポッドキャストを楽しむという人は40%で、2025年の37%から増えました。一緒にいる人数は「1人」が70%で最多です。
また、身の回りにポッドキャストを利用している人がいると答えた米国成人は70%(2025年は75%)でした。
利用動機と番組の楽しみ方
ポッドキャストを利用する理由として「とても重要」「やや重要」と答えた割合は、「関心のあるテーマについての議論を聞く」が79%(2025年は83%)で最も高く、「車の中や移動中に聞く」(64%)、「散歩や運動中に聞く」(62%)が続きました。レポートは、利用動機は2025年からおおむね変わっていないとしています。
過去12か月にポッドキャストを利用した人のうち、定期的に配信される番組を利用している人は80%、配信回数が決まっているリミテッドシリーズを利用している人は39%でした。リミテッドシリーズの利用者の71%は、シリーズが終わると代わりの番組を探すと回答しています。月1回以上の利用者が定期的にフォローする番組数は、2本(26%)と3本(24%)が中心です。
利用者の属性と制作経験
月1回以上の利用者は、米国成人全体に比べて若く、多様性が高い傾向にあります。25〜34歳の構成比を全体と比べた指数は128と高い一方、65歳以上は60にとどまっており、レポートは55歳以上を引き続き成長の余地がある層と位置づけています。また、ポッドキャスト利用経験者の17%が、ポッドキャストを制作したことがあると回答しました。ただし自己申告のため、実際に活動している制作者数の上限値として捉えるべきだとしています。