NeuroLab調査、ポッドキャスト広告はソーシャル メディア広告よりも30%信頼性が高い

オーストラリアのオーディオ配信会社ARNの研究機関「NeuroLab」が、神経科学を活用したポッドキャストの広告効果に関するレポートを発表しました。今回はこのレポートを紹介します。

ARN / Neurolab

■未知の声と既知の声

リスナーが、声の主を知っているかどうかで、エンゲージメントに大きな差が出ています。エンゲージメント以外での差はそれほどでていませんが、エンゲージメントを重要視するキャンペーンの場合は、有名人の声を活用したり、ホストリード広告を使うことが効果的と言えそうです。

■ポッドキャスト広告とソーシャルメディア広告との比較

ソーシャルメディア(Facebook / Instagram)、YouTube、ポッドキャストの3つのメディアの広告効果を比較したグラフです。なんと、ポッドキャスト広告が態度変容に関する項目すべてにおいて、他メディアを上回る効果がでています。これも広告がより親密に感じられるという要素によるものだと考えられるそうです。

なお、グラフにはでていませんが、プレロールとミッドロールは記憶形成と想起に適している一方、ポストロールは注意喚起とエンゲージメントに適しているとのこと。

■ポッドキャスト広告とソーシャルメディア広告の組み合わせ

ソーシャルメディアを使ったキャンペーンは、ソーシャルメディア単体に比べて、ポッドキャスト広告を組み合わせてまず最初に聞いてもらうことで広告効果が上昇することが明らかになりました。また、広告主の業種を問わず組み合わせると良い結果が得られていることもわかります。
音声の広告によりリスナーの記憶に残り、その結果、ソーシャルメディアでのビジュアルな広告に接触した際により目を引くという組み合わせは日本でも活用したいところです。

■オーディオ広告と動画広告の効果の違い

オーディオ広告、動画広告の広告効果を比較したグラフです。こちらもポッドキャスト広告が態度変容に関する項目すべてにおいて、動画広告を上回る効果がでています。

■オーディオとオーディオビジュアルコンテンツの違い

最後にオーディオだけのコンテンツと、オーディオビジュアルコンテンツに触れたオーディエンスがどうコンテンツを受け取っているのかを、神経科学の視点で比較した調査結果です。

サンプルとして、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの「I Have a Dream(私には夢がある)」の一節で知られる有名な演説を聞いた結果、映像がある場合はビジュアルに気を取られてしまいメッセージへの注意が減る傾向があり、一方音声だけの場合の方がメッセージに集中してより伝わるということがわかったそうです。

今回のレポートには他にも興味深い考察がいくつか示されています。

・広告は関係値のある人から提供されると、受容性は最大80%となる。

・音声広告の声などを最適化することで広告の注意喚起は15〜20%向上する。

・ラジオで広告した上で、動画広告を配信すると記憶定着44%増、注意喚起が61%増に。

・広告BGMはオーダーメイドが良い。有名曲と同じように機能し、記憶定着も5%増に。

・文脈にそったコンテンツに広告を配信すると神経反応は最大40%増に。

皆様の今後の音声広告マーケティングの参考になればと思います。ではまた。