WARCの世界広告支出予測、オンライオーディオ広告支出は広告全体よりも高い成長を維持

情報・データおよびインサイトを扱うグローバル企業Ascentialグループのマーケティング効果測定子会社「WARC(ワーク)」が、2023年・2024年の全世界の広告費の見通しを発表しました。今回はその中からオンラインオーディオ広告にフォーカスして紹介したいと思います。

WARC / WARC Ad Spend Outlook 2023/24

今回の見通しは、世界100市場のメディア所有者、業界団体、広告代理店、研究機関を対象としたWARC独自の調査データと、最大手のメディア所有者40社からの広告収入データを組み合わせ、広告取引の全体像を予測したものになっています。

■メディア種別の世界広告支出予測

今回発表された全世界の広告支出予測の中で、オンラインオーディオ広告支出に注目すると2023年に62億ドル(6.8%増)、2024年にはさらに加速して、72億ドル(8.4%像)と予測されています。

一方、オンラインオーディオ広告の成長率はAM/FMラジオの4倍であるにもかかわらず、オンラインオーディオ広告の市場シェアは2023年にまだ0.7%、AM/FMラジオの3.0%と比較して依然としてまだ追いついていない状況であることもわかります。

なお広告全体では、2024年に初めて10兆ドル(日本円で1,459兆円!!)を超えると予測されています。
しかも、Alibaba、Alphabet、Amazon、ByteDance、Metaのわずか5社だけで、2023年の世界広告費支出の50.7%のシェアを持ち、それが2024年には51.9%までさらに拡大することが予測されています。

■広告主ジャンル別の世界広告支出予測

広告主のジャンルを見てみると、金融サービス (11.5%増) が 2024年に最も急成長するセクターとなり、次いでテクノロジーとエレクトロニクス (11.3%増)、製薬とヘルスケア (11.0%増) と予測されています。また、自動車セクターも、供給側の問題による一時的な低迷を経て、順調に成長する(4.7%増)と見込まれています。

オンラインオーディオ広告もこれらの広告主から恩恵を受ける率が高いと考えられます。

WARCのデータ・インテリジェンス・予測担当ディレクターのジェームス マクドナルド氏は今回の結果の発表に際して、「過去12か月間、高金利、インフレの加速、軍事紛争、自然災害が苦いカクテルを生み出しました。しかし、最近の決算シーズンは、広告市場がこの混乱に耐え、今や曲がり角を迎えていることを示しています。また、今回のわれわれの調査結果では、わずか5社の運命が業界全体の見通しにいかに大きな影響を及ぼしているか、そしてこれらの企業が今後数カ月で特大の利益を記録する勢いであることを示しています。」とコメントしています。

ではまた!