株式会社CAC identityは、音声感情解析AI「Empath」の研究開発で構築した日本語の感情音声コーパスを、研究者向けに無償公開したと発表しました。演者40名・3,079発話を収録しています。
演者40名・3,079発話に感情ラベルを付与
株式会社CAC identity(本社:東京都中央区、代表取締役:中西英介)は、音声感情解析AI「Empath」の研究開発の過程で構築した日本語の感情音声コーパス「日本語演技感情音声コーパス“Empath”(JAESC-Empath)」を、2026年9月4日より研究者向けに無償で公開しました。あわせて、本コーパスを用いた分析結果を、2026年9月8日に開催された日本音響学会 第156回(2026年秋季)研究発表会にて発表しました。
本コーパスは、日本語を母語とする演者40名が7種類の感情表現でセリフを演じた音声を収録したもので、総発話数は3,079に及びます。各音声には感情ラベルとセリフの書き起こしが付与されており、音声感情認識の研究に利用できます。
背景:日本語の感情音声データの不足
音声から話者の感情を推定する技術は、コンタクトセンターの応対品質評価をはじめ、対人コミュニケーションを扱う領域で活用が広がっています。一方で、日本語を対象とした感情音声のデータセットは、英語圏に比べて公開されているものが限られており、研究の再現性や比較検証の面で制約となってきました。
同社は音声感情解析AI「Empath」を自社で研究開発しており、その過程で感情音声の収録・ラベル付けを継続して行ってきました。今回、そのうちの一部を研究コミュニティに還元することとし、公開コーパスとして整備しました。本コーパスでは「激しい怒り/静かな怒り」のように、同じ感情を強度の異なる2種類で収録しており、この強度差を含めた分析に利用できます。
コーパスの仕様
日本語名は「日本語演技感情音声コーパス“Empath”」、英語名は「Japanese Acted Emotional Speech Corpus – Empath」、略称はJAESC-Empathです。話者は演者40名(男女各20名)で、プロ・アマチュアの演者を含み、年代は20代~60代です。感情カテゴリは、激しい怒り、静かな怒り、激しい喜び、静かな喜び、激しい悲しみ、静かな悲しみ、平常の7種類です。ファイル形式はWAVE形式(44.1kHz/16bit PCM/モノラル)で、感情ラベルとセリフの書き起こしテキストが付随しています。
利用条件と申請方法
本コーパスは、学術研究その他の非営利の研究目的に限り利用できます。配布価格は無償です。利用は研究目的に限られ、加工および再アノテーションは可能ですが、複製物や改変物を含め第三者への提供・再配布はできません。また、音声合成、音声変換、話者の声の再現を目的とするモデルの学習には利用できません。
申請は、公開ページの申請フォームより、氏名・所属・研究計画を記入のうえ行います。所属機関が発行したメールアドレスからの申し込みに限られ、内容確認のうえ5営業日以内に連絡があります。
コンタクトセンター向けサービス「mimity」での実用化
Empathは、音声の物理的な特徴量から気分の状態を判定するプログラムで、世界50ヵ国・約4,600社に利用されています。コンタクトセンターでは約3,100席で活用されています。同社が提供するAI応対品質評価サービス「mimity」では、このEmpathをオペレーターの声の印象を評価するエンジンとして採用しており、LLMによる応対内容の評価と組み合わせて、点数だけでなく改善点までを出力するとしています。
参照元: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000166096.html