Acastの「Podcast Pulse 2026」(13カ国4,300人対象)によると、月間の音声・動画ポッドキャスト視聴者の88%が両方の形式を利用し、1年前の78%から上昇しました。聴くか観るかは行動や時間帯で決まります。利用実態と広告への示唆を整理します。

音声か動画か、議論より「両方使う」が現実に
ポッドキャスト業界では、音声と動画のどちらが今後の主役になるのかが議論されてきました。Acastは、聴き手がその議論をほぼ無意味にしていると述べています。今は音声と動画の両方を使い、そのときの行動に合わせて聴くか観るかを選んでいるためです。

「Podcast Pulse 2026」は、2026年8月に13カ国の16〜64歳、4,300人を対象に実施された調査です。月間の音声・動画ポッドキャスト視聴者の88%が両方の形式を使っており、1年前の78%から上昇しました。
AcastのCEOグレッグ・グレンデイ氏は、ファンの判断はフォーマットへの忠誠心ではなく、朝7時に運転中なのか、夜9時にソファにいるのかで決まると語っています。この点が見えると、音声か動画かという議論よりも、はるかに良い商機が浮かび上がるとしています。
同じエピソードを、形式をまたいで楽しむ
聴き手は、好きな番組を「観る番組」と「聴く番組」に分けているわけではありません。同じエピソードを、形式を切り替えながら楽しむ人が増えています。
63%が、あるポッドキャストを一つの形式で聴き始め、別の形式で最後まで楽しんだ経験があります。そのうち75%は、途中でアプリやプラットフォームまで切り替えていました。切り替えの理由は「便利だから」が35%で最多でした。「エピソードへの興味が高まった」が34%、「日中の活動的な時間から、リラックスした時間に移った」が26%です。
時間帯と場面で変わる、音声と動画の使い分け
時間帯によっても傾向は分かれます。朝は音声が相対的に強く、音声で楽しむ人が40%、動画ポッドキャストを観る人が25%です。夜には逆転し、動画が53%、音声が44%となります。
何をしながら楽しんでいるかでも違いがあります。音声が最も選ばれるのは家事の最中で、運動、運転が続きます。主に音声で聴き、ときどき動画も観る人のうち、半数は「そのとき画面を使えないから」、残りの半数は「画面を使いたくないから」音声を選んでいます。レポートは、画面が使えない、あるいは使いたくない日常の場面で、音声には大切な役割があると述べています。
夜に存在感を増す動画、テレビでの視聴も
動画は、夜に腰を落ち着ける時間帯に存在感を増します。動画ポッドキャスト視聴者の半数超(53%)が夜に視聴しています。3分の1は、他の人と一緒に観ることが「よくある」か「ほぼ毎日」だと答えました。また、29%がコネクテッドTVでポッドキャストを観ています。
動画ポッドキャストは、ほかのメディアの時間も置き換えています。39%が「ほかのYouTubeコンテンツの代わりになっている」と回答しました。3分の1がライブTVの代わり、30%がストリーミング番組の代わりだと答えています。また、10人に3人は、1年前よりテレビでポッドキャストを視聴する機会が増えたとしています。
レポートが示す4つの「瞬間」
Acastのレポートは、形式ではなく「どんな瞬間にいるか」が視聴の決め手になるとして、4つの瞬間に注目しています。
- Companion(コンパニオン):ランニング、運転、キッチンなど、画面が届かない瞬間です。60%が、ポッドキャストは日々のルーティンの中で伴走者のように感じると答えました。
- Settled(セトルド):ソファでくつろぎ、大画面で観る瞬間です。55%がコネクテッドTVで複数人で視聴し、48%がビデオポッドキャスト広告でブランドを覚えやすくなると答えました。
- Scroll(スクロール):フィードで出会う発見の瞬間です。クリップを見た人の63%が、少なくとも時々は番組全体も視聴しています。
- Live(ライブ):会場、ツアー、フェスなどの瞬間です。34%がライブイベントに参加した経験があり、2024年から80%増えました。参加者の28%はスポンサー企業の商品を購入しています。
広告への示唆:少ない接触回数、高い視聴率
形式を行き来する柔軟さは、広告主にとっても有利に働く可能性があるとAcastは述べています。特に、音声と動画にまたがるキャンペーンで顕著だとしています。
商品やブランドを真剣に検討するまでの接触回数は、音声・動画のポッドキャストとも平均7.2回でした。Acastが測定した他の媒体より少ない結果です。広告を「半分以上の頻度で視聴する」と答えた人は、動画ポッドキャスト視聴者で65%、音声ポッドキャスト視聴者で64%でした。
ポッドキャスト広告をきっかけに何らかのブランド関連の行動を取った人は81%です。内訳は、ホストが話した内容をネットで検索した人が64%、ブランドのサイトを訪れた人が61%、新しいお気に入りブランドを見つけた人が54%、購入した人が51%です。
繰り返しの広告についても、半数が「ポッドキャストで同じブランドを再び聞くと覚えやすくなる」と回答しました。44%は調べたくなり、36%は買いたくなると答えています。さらに、3分の1超が、音声と動画の両方のポッドキャストでブランドに接したときに最も注目すると答えました。
クリエイティブは「画面なしでも伝わる」設計に
Acastは、Attestとの別調査も紹介しています。画面を見なくても意味が通じるように作られた動画ポッドキャスト広告は、画面なしで聴いた場合でも、同等かそれ以上の成果でした。一方、視覚情報に大きく頼る広告は、音声のみで届けると効果が最大6ポイント下がりました。Inside Radioによると、Acastは動画ポッドキャスト広告を音声でも成立させるよう勧めています。ブランド名を明確に伝え、映像なしで理解できる内容にし、主要な商品情報と行動喚起も音声に含めるという内容です。
信頼の高まりも追い風に
Acastのレポートでは、ブランドや商品のおすすめを信頼する相手として、ポッドキャスターが2025年の33%から2026年の42%に上昇しました。
| おすすめを信頼する相手 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|
| ポッドキャスター | 33% | 42% |
| ジャーナリスト | 33% | 31% |
| YouTuber | 31% | 29% |
| SNSインフルエンサー | 28% | 25% |
| 著名人 | 25% | 25% |
毎週聴いているリスナーの90%が、ポッドキャスターの発言で考えを変えた経験があります。この割合は2025年より4ポイント上昇しました。
よくある質問
Podcast Pulse 2026とは何ですか?
Acastが公開した調査レポートです。2026年8月に13カ国の16〜64歳、4,300人を対象に実施され、音声と動画の使い分けや広告への反応を示しています。
音声と動画の両方を使う人はどのくらいいますか?
月間の音声・動画ポッドキャスト視聴者の88%が両方を利用しています。1年前は78%でした。
まとめ
Podcast Pulse 2026は、聴き手が形式にこだわらず、その時の行動や時間帯に合わせて音声と動画を使い分けていることを示しています。広告主にとっては、形式をまたいでリスナーを追いかけられる点が機会になるとAcastは述べています。
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