カナダの放送・通信事業者を規制する政府機関、カナダ・ラジオテレビ通信委員会 (CRTC)が、放送の枠組みの近代化に向けて新たな取り組みを推し進める中で、ポッドキャストについても規制の対象になることが話題になっています。今日はこのニュースを紹介します。
Canada.ca / CRTC takes major step forward to modernize Canada’s broadcasting framework
今回の規制の対象は、「カナダで運営され、放送コンテンツを提供し、年間収益1,000万カナダドル以上(日本円でおよそ10億円以上)を稼ぐオンラインストリーミングサービス」で、この対象になるサービスは、2023年11月28日までにカナダ政府が用意したフォームで基本情報の登録を義務付けられるというもの。また、カナダでオンラインストリーミングサービスを運営するための条件として、コンテンツと加入者に関する情報をCRTCに提供することも義務付けられます。ポッドキャストを提供するオンラインサービスは当然、登録義務の対象になりますが、ソーシャルメディアを使用してポッドキャストを共有する個人であれば対象にならないとしています。
カナダのポッドキャスト界隈では、この規制は言論の自由を潰す試みと否定する声も散見され、また規制内容について疑問点も多いと指摘されています。例えば、そもそもオンラインストリーミングサービスの定義は何か?(ポッドキャスト配信プラットフォーム?大手ポッドキャスト制作会社?)、カナダに拠点がなくてもカナダで運営されていれば対象というが、運営の定義は何か?(従業員?カナダで利用可能なコンテンツ?)、登録をしなかった場合の制裁措置は?など不明な状況です。
ジャーナリストのグレン・グリーンウォルドは、X(旧Twitter)でこの規制について「世界で最も抑圧的なオンライン検閲スキームの1つ」とつぶやき、これを受けてイーロン・マスクも「トルドー首相はカナダの言論の自由を潰そうとしている。恥ずかしい。」とコメントを添えてリポストしています。
Trudeau is trying to crush free speech in Canada. Shameful. https://t.co/oHFFvyBGxu
— Elon Musk (@elonmusk) October 1, 2023
また続報あればお伝えします。ではまた!