2023年6月5日、Spotifyが戦略的再編の一環として、ポッドキャスト部門で200人削減すると報じられました。これはSpotify全従業員の約2%に相当します。今回はこのニュースをお伝えします。
ロイター / スポティファイ、ポッドキャスト部門で200人削減へ 全従業員の2%
CNBC / Spotify layoffs: 200 employees, or about 2% of its workforce cut
Variety / Spotify Laying Off 200 Employees in Its Podcast Division
このレイオフの背景として、Spotify上級幹部のコメントによれば「ポッドキャスティング部門は、画一的なパートナーシップアプローチではなく、よりカスタマイズされたパートナーシップアプローチに焦点を当てていく」方針を変えたことが挙げられています。
また、Spotifyは広告主獲得を期待し、ポッドキャスト事業の強化に積極的にM&Aおよび投資を行ってきましたが、結果、2022年は営業費用の伸びが売上高の2倍のペースになるなど、費用が急増したことがレイオフの要因のようです。また、経済環境の影響もあり企業の広告支出が控えられていることも要素の一つと考えられます。なおレイオフされた従業員については、寛大な退職金パッケージ、医療保険と再就職支援サービスなどが提供されることも報じられています。
今回、Spotifyはレイオフの発表だけでなく、制作部門の統合も発表しています。GimletとParcastの制作部門を統合し、コストを削減し効率を上げるべく新たに「Spotify Studios」として、オリジナル番組の制作や新番組の立ち上げを継続していくとのこと。
今後Spotifyは、引き続きポッドキャストの再生数を増やすべくリスナーをより頻繁に多くの番組を聴くように促し、ポッドキャスター向けに「Spotify For Podcasters」の分析機能の強化、広告オプションの改良、より多くのビジネスモデルを追加する予定とのこと。
Spotifyは1億人以上のリスナーと500万本の番組を持つ人気ポッドキャストプラットフォームであるにもかかわらず、今回のレイオフの発表は驚きはあります。しかしSpotifyとしてポッドキャスト事業を縮小するということではなく、より効率を上げてコストを削減するという意図だと思われます。
いい機会ですので、Spotifyのここ直近の組織の動きを整理しておきます。
2022年秋
ポッドキャスト・チームの約5%をレイオフ。
同時に11のオリジナルポッドキャスト番組を終了させる。
2023年1月
Spotify全従業員の6%に当たる500人のレイオフ。
同時にコンテンツ・広告事業最高責任者のドーン・オストロフ氏が退任を発表。
2023年2月
トークコンテンツ担当副社長のマックス・カトラー氏の退任を発表。
2023年6月
今回の200人のレイオフを発表。
また続報あればお伝えしていきます。
ではまた!