SpotifyがApple HLS対応とホスティング5社連携でビデオポッドキャスト配信を大幅拡大

Spotifyは2026年5月14日、ビデオポッドキャストのエコシステムをさらに拡大する2つの重要な施策を発表しました。ひとつは、複数のポッドキャストホスティングプラットフォームとのビデオ配信連携の正式稼働。もうひとつは、Apple PodcastsのHLS(HTTP Live Streaming)ビデオ技術への対応です。これによりクリエイターは、既存のワークフローを変えることなく、より多くのプラットフォームでビデオコンテンツを配信・収益化できる環境が整います。

5つのホスティングプラットフォームとの連携が正式稼働

Spotifyは今年初めに、主要なポッドキャストホスティングプロバイダーがSpotify Distribution APIを通じてビデオ配信に対応すると発表していましたが、2026年5月14日をもってLibsyn・Podigee・Audioboom・Audiomeans・Podspaceの5社との連携が正式に稼働しました。

これらのプラットフォームを利用しているクリエイターは、ホスティングサービスを乗り換えることなく、SpotifyへビデオコンテンツをダイレクトにアップロードしてSpotify Partner Programを通じて収益化できるようになります。また近い将来、ダイレクトセールスを含む追加の収益化オプションも利用可能になる予定とされています。なお、発表当初に予定されていたAcastおよびOmny Studioについては今回のロールアウトには含まれておらず、Spotifyはその理由について言及していません。

RSSフィードはそのまま継続利用可能

このDistribution APIの仕組みでは、これまでのRSSフィードによる音声配信は引き続きそのまま利用できます。クリエイターがエピソードをアップロードすると、RSSフィード経由での音声配信と、Spotifyへのビデオ直接アップロードが同時に行われるため、シームレスな配信体験が実現します。ビデオ配信にSpotify独自の直接アップロード方式を採用することで、実際のユーザーエンゲージメントに基づいた収益化やリアルタイムのパフォーマンス分析など、Spotifyならではの機能を最大限に活用できます。

Apple PodcastsのHLS技術への対応を今年中に予定

同時にSpotifyは、「Spotify for Creators」および「Megaphone」がApple PodcastsのHLSビデオ技術に対応することを発表しました。この対応はAppleと連携しながら現在進行中で、詳細なスケジュールは近日中に公表される予定です。

HLS(HTTP Live Streaming)はAppleがApple Podcastsのビデオ体験向上のために導入した技術で、Apple Podcastsでは2026年3月末までにiPhone・iPad・Apple Vision Pro・Webでの提供が開始されています。HLSはネットワーク速度に応じてビデオ品質をリアルタイムで自動調整するため、モバイル回線でもバッファリングや画質の急激な低下が起きにくい特長があります。

SpotifyがHLSに対応することで、Spotify for CreatorsまたはMegaphoneでホストされているクリエイターは、既存のセットアップを変えることなくSpotifyとApple Podcastsの両方にビデオポッドキャストを配信・収益化できるようになります。Spotifyはこれを「プラットフォームを問わないビデオ配信の実現に向けた大きな一歩」と位置づけています。

Spotify Partner Programの拡大と背景

Spotifyは2026年1月に、Spotify Partner Programの参加要件を緩和しました。必要リスナー数を2,000人から1,000人へ、公開済みエピソード数を12本から3本へとそれぞれ引き下げており、より多くのクリエイターがビデオ収益化に参入しやすい環境を整えています。

2025年11月時点でSpotifyでは3億9,000万人以上のユーザーがビデオポッドキャストを視聴しており、ビデオポッドキャスト番組数は53万本を超えています。Spotifyはビデオをポッドキャスト成長の中心と位置づけており、今回の施策はクリエイターがどのホスティングプラットフォームを使っていても、ビデオファーストの環境で競争・収益化できるようにするという方針に沿ったものです。

参照元:https://creators.spotify.com/ja/resources/news/expanding-video-partners-and-platforms