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米国で新車にAMラジオ非搭載モデル増加、反発する議員がラジオ搭載義務化法案提出

アメリカで販売される自動車に、AMラジオ機能が搭載されないモデルが増えてきているそうです。今回はこのニュースをお伝えします。

Reuters / US lawmakers want to bar automakers from eliminating AM radio in new vehicles
The Washington Post / End of a love affair: AM radio is being removed from many cars
autoevolution / US Lawmakers Declared War on the Auto Industry Over an Ancient Technology

アメリカではフォード、BMW、フォルクスワーゲン、マツダ、ボルボ、テスラ、ポールスター、リビアンなど少なくとも8社の自動車メーカーの電気自動車からAM放送ラジオチューナーの搭載を廃止しているそうです。コストダウンの観点もあるでしょうし、車内でAMラジオを聴くよりも、音楽ストリーミングサービスを聴く人も増えてきていることも背景にあると考えられます。僕自身も車の中ではSpotifyを聴くことが多いのでわからなくもないです。またAMラジオ局の多くはFM姉妹局でも放送していることが多く、AM放送ラジオチューナーがなくてもFM放送を聞けばいいということもあるようです。なお、すべての自動車メーカーがAMラジオチューナーを非搭載にする動きを見せているわけでもありません。トヨタ、ホンダ、日産、スバル、三菱、ヒュンダイ、起亜、ジャガー・ランドローバーなどは廃止の計画はないそうです。

そんな中、米国の超党派議員グループが車載AMラジオチューナー非搭載の流れを反対すべく「自動車メーカーは新車にAM放送ラジオチューナーの搭載を義務付る法案」を提出しました。彼らの主張は、安全上の懸念を理由とするものです。AMラジオが車内で聴けなくなることで、重要な公共安全情報を国民に届ける連邦制度が損なわれるというのです。

これを受けて、大手自動車メーカーを代表する業界団体およびロビーグループの米国自動車イノベーション協会(Alliance for Automotive Innovation:AAI)は、「すべての車両にAMラジオの搭載を義務付ける必要はない。議会がこれまで車両にAMラジオ機能を義務付けたことは一度もない。自動車メーカーは、ドライバーが公共の警報と安全にアクセスできるようにすることに取り組んでいる。」と見解を発表しています。

一方アメリカ連邦通信委員会のジェシカ・ローゼンウォーセル委員長は、提出された法案を支持しており、「明らかに公共安全上の義務がある。車内でAMラジオが利用できるということは、外出中でも常に緊急警報や重要な警告にアクセスできることを意味する。」とコメントしています。

全米放送協会によると、現在でも毎月8,200万人のアメリカ人がAMラジオ放送を聴いているそうです。また、AM/FMあわせラジオ聴取は、車内のリスニング全体のうち60%を占めているというレポートもあります。少なくともAMラジオ業界にとっては大きなインパクトのあるトピックだと思います。

さまざまな意見や立場がありますが、最終的に法案が成立するのか気になるところです。動きがあればまたお伝えできればと思います。

ではまた。

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