音声AIのグローバルリーダーであるイレブンラボが、感情表現を忠実に再現する新しい吹き替えAIモデル『Dubbing v2』のAPI提供を開始しました。92言語に対応し、単一のAPIで多言語吹き替えの生成からセグメント編集・再生成までを一貫して完結できる点が特長です。

『Dubbing v2』のAPI提供が開始
音声AIリサーチと革新的テクノロジーのグローバルリーダーであるElevenLabs(本社:米国ニューヨーク州、CEO:Mati Staniszewski、以下イレブンラボ)は、2026年8月6日、新しい吹き替えAIモデル『Dubbing v2』を「ElevenAPI」経由で提供開始したことを発表しました。
『Dubbing v2』はUI版として2026年5月28日より先行提供されていましたが、今回のAPI公開により、開発者や企業が自社プロダクトやワークフローに吹き替え機能を直接組み込めるようになります。
1つのAPIで完結する高度な吹き替えワークフロー
従来のAPIでは、生成と編集で異なるエンドポイントを使い分ける必要がありました。新しいDubbing APIではワークフローを統合し、多言語吹き替えの作成からスクリプトの調整、セグメント単位の再生成までを1つのワークフローで完結できます。
主な機能は次のとおりです。
- 高度な編集とスクリプト持ち込み(エンタープライズ向け):独自に用意したスクリプト(ソーステキスト)や翻訳文を指定して吹き替えを生成できるほか、特定のセグメントのみを修正・再生成できます。
- 用途に応じたモデル選択(model_id):感情表現やニュアンスを重視する『Dubbing v2』に加え、コスト効率や大規模処理を重視する『Dubbing v1』を、同じAPI内で切り替えられます。
- 再生成の無料枠:試行錯誤や微調整をスムーズに行えるよう、素材音声を再生成する際の無料枠(元の素材尺の最大3倍まで)を標準で提供します。
オリジナルの感情・声・パフォーマンスを維持する変換モデル
『Dubbing v2』は、音声を音声へ直接変換する(audio-to-audio)アーキテクチャを採用したモデルです。従来型の「音声認識→翻訳→音声合成(クローン音声)」というパイプライン方式とは異なり、出力音声を入力音声に基づいて生成するため、オリジナルの感情表現やパフォーマンスのニュアンスをより忠実に反映できます。
今回のAPIリリースに伴い、モデル自体の機能も向上しました。主な特長および改善点は次のとおりです。
- 感情・パフォーマンスの再現力向上:オリジナル音声の感情やニュアンスをより自然に転写します。
- より自然な翻訳:話者本人の声のクローンを用いた、より自然な多言語翻訳を実現します。
- 高い同期精度:発話のタイミングが映像と自然に一致しやすい設計です(映像側へのAIリップシンク加工は行いません)。
- 対応言語数:日本語・韓国語を含む92言語に対応します。
- 地域アクセント(ロケール)の精密制御:BCP-47言語コードに対応し、スペイン語(カスティーリャ語 vs ラテンアメリカ)やポルトガル語(ブラジル)などの地域ごとのニュアンスを正確に指定できます。
- BGM・効果音(M&E)の保持向上:背景音や音楽のミックス精度を高め、複数話者が入り交じる複雑なシーンでもクリアな吹き替えを実現します。
想定される活用シーン
イレブンラボは、クリエイター、メディア企業、エンタープライズなど、グローバルな視聴者に向けて高品質なローカライズコンテンツを届けたい層を主な対象としています。
具体的には、動画クリエイターやゲームスタジオによるキャラクターダイアログ・カットシーンのローカライズ、CPGブランドや旅行・宿泊業界による多言語マーケティング動画の制作、配信・メディア企業による映画やドラマなど長尺コンテンツの多地域展開などでの活用を想定しています。
映画・TV品質の吹き替えは従来、1分あたり数百ドル規模のコストがかかるとされていますが、『Dubbing v2』はこうした高品質な吹き替えをより幅広い層に届けることを目指しています。なお、ライブ配信映像などをリアルタイムで多言語吹き替えする機能は、本ローンチの対象には含まれていません。
日本市場での活用が見込まれる領域
『Dubbing v2』が対応する92言語には、日本語・韓国語が含まれています。アニメ・ゲーム・映像コンテンツなど、日本発コンテンツを海外展開する際の多言語吹き替えと、海外コンテンツの日本語吹き替えの、両方向での活用が見込まれます。
ElevenLabsについて
イレブンラボは、2022年に設立された、テクノロジーとの関わり方を変革するAI研究・プロダクト企業です。企業向けの音声・チャットエージェントプラットフォーム「ElevenAgents」、コンテンツの制作・編集を支援する「ElevenCreative」、開発者がAIオーディオ基盤モデルを利用できる「ElevenAPI」を提供しています。現在の企業評価額は110億米ドルを超え、プラットフォームはFortune 500企業の80%以上を含む数千社に利用されています。
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000160611.html


