FIXERがElevenLabsの音声AI活用、医療の記録作成を支援へ

株式会社FIXERが、イレブンラボのAI音声技術と自社のソブリンAIプラットフォーム「Sovereign GaiXer」を組み合わせ、医療をはじめとするエンタープライズ向け音声AIソリューションの開発・検証を開始しました。医療現場の文書作成支援を第一弾に据えています。

FIXERがイレブンラボの音声AIを活用した検証を開始

株式会社FIXER(本社:東京都港区、代表取締役社長:松岡清一)は、2026年7月9日、イレブンラボジャパン合同会社(本社:東京都千代田区)が提供するAI音声プラットフォームを活用し、日本市場における音声AIソリューションの提供・展開に向けた取り組みを開始したと発表しました。

FIXERは、イレブンラボの高精度な音声AIプラットフォームと、自社のソブリンAIプラットフォーム「Sovereign GaiXer」を組み合わせることで、医療・公共自治体・流通小売など、高いセキュリティやデータガバナンスが求められるエンタープライズ領域におけるAI活用の推進を目指すとしています。

第一弾は医療現場の診療記録作成支援

第一弾の重点領域として、医療現場における診療記録の作成支援への応用が見据えられています。具体的には、診察時の会話を音声AIでテキスト化し、Sovereign GaiXerが診療記録のドラフトを生成する、文書作成支援の仕組みの構築を進めるとしています。

生成されたドラフトは医師が確認・修正したうえで記録として完成させる運用を前提としており、医療従事者の文書作成負荷の軽減が目指されています。この仕組みは診断や治療方針の決定を行うものではなく、あくまで文書作成を支援するものと説明されています。

また、音声データの取得にあたっては患者への説明と同意を前提とし、患者情報を含むデータは国内かつ閉域ネットワーク内で処理する構成が想定されています。Sovereign GaiXerを活用することで、生成AI処理を院内・閉域環境で完結させ、医療機関が求めるセキュリティやデータガバナンス要件への対応を進めるとしています。

医療にとどまらない3つの重点領域

本取り組みの対象は医療領域にとどまりません。音声入力によって現場の会話を業務データへ変換する共通基盤として、さまざまな産業への横展開が見据えられています。プレスリリースでは3つの重点領域が挙げられています。

1. 医療領域:診察時の会話を音声AIでテキスト化し、Sovereign GaiXerがSOAP形式などの診療記録ドラフトを生成する文書作成支援の仕組みを構築します。医師がドラフトを確認・修正して記録を完成させるため、カルテ入力にかかる負担の軽減が期待されています。

2. 公共・自治体領域:職員と市民の会話を音声入力し、対応記録、申請書類、FAQナレッジなどへ自動生成・整形する仕組みの開発を目指します。職員が窓口対応に集中できる環境づくりと住民サービスの向上を支援するとしています。

3. 流通・小売領域:店舗での会話を音声入力したうえで、日報、引継ぎメモ、問い合わせ記録、VOC分析などへ活用する仕組みを検討します。現場の記録負荷を軽減しながら、店舗オペレーションや顧客体験の改善への貢献を目指しています。

今後の展開

FIXERは、イレブンラボのAI音声プラットフォームを活用した検証を進めるとともに、音声入力とSovereign GaiXerを組み合わせたソリューションのPoCを実施し、医療・公共・流通などへの展開を目指すとしています。医療領域では、診療会話のテキスト化と診療記録ドラフト生成の精度検証、および標準的な医療情報システムとの連携可能性の検証を行う方針です。

なお、イレブンラボの音声認識モデルは、多言語ベンチマーク「FLEURS」の日本語において単語誤り率(WER)3.1%を達成したことを同社が公表しています(2026年時点、イレブンラボ社調べ)。イレブンラボジャパン合同会社は2025年4月に設立され、日本市場での事業を本格化しています。

参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000146.000009536.html