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Spotifyがポッドキャスト独占番組に10億ドル以上を費やし、1エピソードあたり25万ドル以上使った番組も。

The Wall Street Journalが、Spotifyのポッドキャスト戦略について報じました。有名人との契約やオリジナル番組の独占配信のために10億ドル以上、日本円でおよそ1,474億円以上費やしたという内容です。今日はこのニュースを簡単に紹介します。

WSJ / Spotify’s $1 Billion Podcast Bet Turns Into a Serial Drama
Daily Mail Online / Spotify’s $1bn podcast bet on star names including Harry and Meghan, Kim Kardashian and the Obamas is a LOSER as the company hemorrhages $600MILLION in six months

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Spotifyは、ハリー&メーガン夫妻、キム・カーダシアン、オバマ夫妻などの著名人の独占契約に数百万ドル規模を支払ってきたことは、すでにAudiostart Newsでも何度か紹介してきました。また、元Spotifyの最高コンテンツ責任者および広告ビジネス責任者だったドーン・オストロフ氏は、一部の番組では1エピソードあたり最大25万ドルの費用がかかっていたことを明らかにしています。番組以外での投資も行っています。例えば2つのポッドキャストスタジオを建設するために2億8,600万ドルかけています。こういったポッドキャスト関連の投資が嵩んで10億ドル以上を費やしたというわけです。

そして問題なのは、ポッドキャストへのこの莫大な投資のリターンがいまだ得られていないことです。この問題に詳しい関係者は、ほとんどの番組は数百万ドルの契約を相殺できるほど収益性が高くないと語っています。結果、Spotifyは損失を抑えるために人員と番組を削減せざるをえなくなっています。

この原因として考えられるのは、デジタルオーディオ広告市場は急成長を続けている市場ではあるものの、インターネット広告市場全体からみれば、まだわずか2%強のシェアを持つ小さい市場にすぎないことです。統計にもよりますが、おおよそ23億ドルの市場規模の広告、しかもAppleやAmazonなど大手のライバルもひしめく中で、Spotifyがこの領域にいきなり10億ドルを使っても回収が難しいのは想像に難くありません。

The Wall Street Journalによれば、Spotifyは過去6ヶ月間で、66億5,000万ドルの収益に対して5億6,500万ドルの損失を出しています。結果、Spotifyの時価総額は現時点で約310億ドルで、2021年初頭の絶頂期の700億ドルから大きく減少しています。なおSpotifyは2024年にポッドキャスト事業について月間アクティブユーザーの増加予測に基づき黒字化できる計画であるとしています。

収益以前の問題として、独占配信の弊害も問題になっています。例えば、人気の科学ポッドキャスト番組「Science Vs」はSpotify独占配信ではなくなってから、リスナー数が2倍になり、聴取時間が60%増加したそうです。Spotifyがいかに大きな配信プラットフォームだとしても、他のプラットフォームも多く併存している中で独占配信とするのは弊害も大きく、自社プラットフォームでの先行配信などにとどめ、他社プラットフォームにも配信する方向へシフトするほうが無難だと思われます。

ではまた。

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