ElevenLabs(イレブンラボ)は、音声エージェント向けの音声対音声モデル「Eleven Realtime」を発表しました。会話向けの「v1 Mini」と、複雑なタスク向けの「v1 Max」の2モデルを『ElevenAgents』とRealtime APIで提供します。日本語を含む90以上の言語に対応しています。
イレブンラボが音声対音声モデル「Eleven Realtime」を発表
音声AIのリサーチとテクノロジーを手がけるElevenLabs(本社:米国ニューヨーク州、CEO:Mati Staniszewski、以下イレブンラボ)は、2026年10月21日、音声エージェント向けの新しい音声対音声(Speech to Speech)モデル「Eleven Realtime」を発表しました。
今回発表されたのは、会話の速さと自然さに最適化した「Eleven Realtime v1 Mini」と、複雑なタスクに最適化した「Eleven Realtime v1 Max」の2つのモデルです。いずれも発表当日から、音声・チャットエージェントプラットフォーム『ElevenAgents』とRealtime APIで提供されています。
音声エージェントの構築を「モデル選択ひとつ」に
これまで、自然に会話できる音声エージェントを作るには、音声認識、発話区間の検出、話者交代(ターンテイキング)、大規模言語モデル(LLM)、音声合成といった複数の構成要素をそれぞれ選び、組み合わせて調整する必要がありました。
「Eleven Realtime」は、これらの構成要素をひとつのシステムとしてまとめて調整した音声エージェント向けモデルです。ユーザーはモデルを選ぶだけで、各要素を個別に設定することなく音声エージェントを構築できます。
どちらのモデルも日本語・韓国語を含む90以上の言語に対応しており、イレブンラボが持つ17,000以上のボイスライブラリから声を選ぶことができます。
2つのモデルの違いと主な用途
Eleven Realtime v1 Mini
速く自然な会話に最適化したモデルです。AIアシスタント、教育向けのチューター、ゲームやエンターテインメントにおけるインタラクティブなキャラクターなどの用途に適しています。
Eleven Realtime v1 Max
複雑なタスクに最適化したモデルです。決められた手順に沿った対応や情報の検索が求められるカスタマーサポート、リード獲得に向けた見込み客の選別(リードクオリフィケーション)、ツールを呼び出して情報の照会や操作を行う複数ステップの業務などに適しています。
両モデルに共通する機能
- 自然な話者交代への対応
- 会話中の割り込みへの対応
- ツール呼び出しへの対応
- モデルの選択を変えるだけでv1 Miniとv1 Maxを切り替え可能
- 各段階でテキストを介して処理するため、ガードレールの適用や会話内容の追跡(トレーサビリティ)が可能
第三者評価で高い正確性と応答速度を確認
第三者評価機関のArtificial Analysisによる評価(2026年10月時点)では、「Eleven Realtime v1 Max」が、音声による推論力を測るベンチマーク「Big Bench Audio」で98.8%の正答率を記録しました。質問を聞き終えてから話し始めるまでの時間は0.57秒でした。同社のリーダーボードでも、正答率と応答速度の両面で高い評価を得ています。
また、会話中の間(ま)、話者交代、割り込み、相づちへの対応を測る「Full-Duplex-Bench」では、v1 Miniが95.8%、v1 Maxが94.1%のスコアを記録しています。
提供方法
『ElevenAgents』で利用する場合
エージェントを新規作成するか既存のエージェントを開き、モデルの選択欄から「Eleven Realtime」を選ぶだけで利用できます。電話、Webサイト、WhatsApp、コンタクトセンタープラットフォームなどのチャネルへの展開や、ワークフロー、ナレッジベース、ガードレール、テスト、モニタリングといった『ElevenAgents』の機能をそのまま活用できます。既存のエージェントの設定が変わることはありません。
Realtime APIで利用する場合
Realtime APIはOpenAIのRealtime APIと互換性があり、WebSocketで接続します。すでにOpenAIのRealtime APIを使っている開発者は、既存コードの接続先とモデル名を変更するだけで「Eleven Realtime」を試せます。
なお、提供開始時点ではWebRTCには対応していません。また、Realtime APIと『ElevenAgents』は接続方式が異なります。電話などのチャネルやナレッジベースといった『ElevenAgents』の機能を使う場合は、最初から『ElevenAgents』で構築することが推奨されています。
料金
- 『ElevenAgents』:通常の分単位の料金に、言語モデルのトークン料金を加えた額
- Realtime API:接続中の音声の分単位の料金に、トークン料金を加えた額
最新の料金は以下の料金ページで確認できます。
製品の詳細は https://elevenlabs.io/realtime で公開されています。
日本市場に向けた取り組み
イレブンラボは、日本では少子高齢化を背景に働き手の不足が進んでいる点を挙げています。リクルートワークス研究所の試算では、2040年に約1,100万人の働き手が不足するとされており、顧客対応の現場でも、限られた人員でサービスの質をどう維持するかが課題になっています。
顧客対応には、営業時間や手続きの案内、予約の受付など、すぐに答えられる問い合わせも多く含まれます。こうした対応を音声エージェントが担うことで、担当者は事情を丁寧に聞き取る相談や判断が必要な対応など、人だからこそできる業務に時間を使えるようになると同社は説明しています。人とAIがそれぞれに適した対応を分担することで、顧客にとっても待ち時間が少なく納得感のある窓口をつくれるとしています。
イレブンラボは、日本の企業や開発者とともに、人とAIが協力して支える顧客対応の実現に取り組むとしています。
イレブンラボについて
イレブンラボは2022年に設立されたAI研究・プロダクト企業です。企業向けの音声・チャットエージェントプラットフォーム「ElevenAgents」、コンテンツの制作・編集を支援する「ElevenCreative」、開発者がAIオーディオ基盤モデルを利用できる「ElevenAPI」を提供しています。現在の企業評価額は220億米ドルを超え、プラットフォームはFortune 500企業の80%以上を含む数千社に利用されています。
よくある質問
Q. 「Eleven Realtime」とは何ですか?
A. イレブンラボが発表した音声エージェント向けの音声対音声(Speech to Speech)モデルです。音声認識やLLM、音声合成などの構成要素をひとつのシステムとして調整しており、モデルを選ぶだけで音声エージェントを構築できます。
Q. 日本語に対応していますか?
A. 日本語・韓国語を含む90以上の言語に対応しています。
Q. v1 Miniとv1 Maxはどう使い分けますか?
A. v1 Miniは速く自然な会話向けで、AIアシスタントやチューター、キャラクターなどに適しています。v1 Maxは複雑なタスク向けで、カスタマーサポートやリードクオリフィケーション、複数ステップの業務などに適しています。
Q. OpenAIのRealtime APIから移行できますか?
A. Realtime APIはOpenAIのRealtime APIと互換性があり、既存コードの接続先とモデル名を変更するだけで試せます。ただし、提供開始時点ではWebRTCには対応していません。
まとめ
「Eleven Realtime」は、音声エージェントに必要な複数の構成要素をひとつにまとめ、モデル選択だけで構築できるようにした音声対音声モデルです。会話向けのv1 Miniと複雑なタスク向けのv1 Maxの2モデルを用意し、日本語を含む90以上の言語に対応しています。第三者評価でも正確性と応答速度の両面で高い結果を示しており、『ElevenAgents』とRealtime APIの2つの方法で利用できます。
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000160611.html